独りも好きだけど
先日、フランス車の歴史あるイベントに参加してきました。って書くと、まるでそれが日常の当たり前のひとコマのようにも聞こえますが、決してそうではありません。
普段一人で行動することに慣れている私ですが、クルマのイベントには参加出来る範囲で参加するようにしています。もちろん、クルマ系のイベントと言っても、車種ごとや車種問わずだったり、メーカー主催の大規模なものから、少人数でランチ会だったり、有志の方が運営されているものだったり、サーキット走行会だったりと色々です。その中から自分が行ってみたいとか、自分に合っていると思うものがあれば、出かけてみるのをお薦めします。
人にはそれぞれ趣味や大好きなことがあって、この狭い世の中に同じような嗜好の人がいたら、やっぱり色々なことをシェアしてみたいと思います。でも、私は愛車が来るまでそんなことを考えもしませんでした。すべて一人完結で満足していましたし、わざわざ他人とシェアしなくても私が満足ならそれでいい、という考え方でした。基本的に、今でもそれは変わっていません。淡々と、黙々と、一人で孤独に好きなことに没頭するのが好きだということに変化はないのです。
ですが、そんな私もさすがに愛車に関しては情報が少なかったり、初めての欧州車なことや色々知りたいこともあって、ある日、意を決して同じ車種が集まるイベントに出かけてきました。ちなみにそれは鈴鹿サーキットで、もちろん、走ったわけではありません。同じルーテシアに乗る人々とはどんな人々なのだろう、と好奇心から愛車を西へと300km走らせたわけです。ついでにお伊勢参りなんかも出来ましたし、ちょっとした旅行でした。
クルマで出かけるイベントの素晴らしいところは、移動がそのまま旅となれるところです。愛車が私をどこへでも連れて行ってくれる、ということを実感したのも、この時でした。
人生でサーキットという場所に足を踏み入れたのはもちろん初めてでしたし、お会いする方も初めての方ばかりでした。そして、自分以外のルーテシアを目にするのも初めてでした。こんな初めて尽くしでの上に、初めて会う方とはなかなか上手くお話出来ないのが不安でしたが、あの一歩があったから今がある、と思っています。
迷うなら行ってみるべき
自分から動き出さなければ何も起きません。自分がよく知らない分野で、しかも誰も知っている人がいない状況であっても、時にそれは豊かな世界の扉を開いてくれます。女一人でクルマイベントってかなり勇気が必要かもしれませんが、とにかく愛車が大好き、という気持ちさえあれば大丈夫です。クラシックのコンサートで隣の人に声をかけるより、ずっと簡単。いい感じのバーで隣の人に声をかけるより、ずっと気まずくない。
ディーラーよりもたくさんの情報が手に入りますし、1人か2人は必ずクルマ以外でも話が合う人がいるはずです。音楽とか映画とか。それをとっかかりにして話す機会を作ってもいいですし、初めて参加する人をフォローしてくれる体制が出来上がっているイベントもあります。私はこういった情報を最初はSNSで拾っていました。
一度参加して、フィットしそうになければ次から行かなければいいだけです。そこに窮屈な女子グループの掟みたいなものはありません。もしそんな窮屈さがあるイベントだったら、こっちから願い下げです。
ちなみにフランス車のイベントはいい感じでゆるいことが多く、気楽に参加出来るのも私にとっては魅力です。車種によって傾向はだいぶ違うと思いますが、自分の愛車について知らないこと、わからないこと、迷っていることがあればなおさら行ってみてください。女1人で不安だったら、クルマには関係なくても仲良しのお友達に同行してもらってもいいですね。
社会人でも家庭人でもない自分の居場所を
私もよく「女性1人で大丈夫なんですか?」と聞かれますけど、平気です。むしろ徹底的に大嫌いな「女の群れ」を避けて生きてきましたし、職場でも女は1人なので、基本的に男性の中にいたほうが気を遣わなくて楽なくらい。
ちょっと勇気を出すだけで、もしかしたら一生モノの友達を増やせるかもしれませんし、行ったことのない場所へ出かける機会も増えます。大人になるとパターンが決まりがちな交遊関係になってしまいますが、仕事や家庭の外にも自分の世界があることは素晴らしいことです。それはクルマに限らずそうですよね。人生の面白さが違ってきますもの。
ただ、もちろん色々な人がいますから、自分と合わない人だっています。そういう時は大人ならではのお付き合いで乗り切れるはずですし、嫌なら行かなければいいだけ。
人見知りで集団が苦手な私でも、それに気づいてからはクルマはもちろん、有志の日本画学習会などにも参加するようになりました。それでも、皆さんと一緒にワイワイというよりは、1人でひっそりと参加型なのではありますがね・・・