産めよ増やせよ?MT族

ここ日本では、ほとんど絶滅危惧種と言っても過言ではない乗用車MT族。

私の周囲でも現在MT車を操っている人はクルマ友達にしかいない。ルーテシアだったりメガーヌだったりだ。4年前から色々なところで話している通り、私は今ごろになってMTの面白さに目覚めたため、足が自由に動くうちはMT車に乗り続けたいと思っている。

しかし、そうは言ってもこの感覚は一般的な普通の人には理解し難いらしい。だから、少数のクルマ友達以外でMTを選択するという人は当然皆無で、「今どきMT車なんてまだあったの?」という反応が多いのだ。
美容師の男の子(32歳)も以前「引っ越しでトラック借りたんですよ」と言うので、「トラック?じゃあ当然MTだよね?」と食いついたところ「まさか!ATっすよ!」と返ってきたし。これでは絶滅危惧種になるのは当たり前。ただでさえ少子高齢化社会において、若者はクルマに興味を持たず、老人は免許返上が推奨されている。そして電気で走るクルマが世界を席巻し始める。
それは時代の自然な流れでもあるのでよろしいと思うのだが、このままMT族の滅亡を目の当たりにしそうで、寂しい。

何とかMT族を一人でも増やせる方法はないものか・・・

そして、その答えは意外なところからやってきた。

ルーテシアの運転席に座る一人の若者の図。

私がずっと若い頃に産み落とした娘だ。

すでに20代社会人だが、125ccくらいのスクーターを普段の足にしており、さらに夏までは一緒に住んでいた男のデミオ(AT)を運転していたようだが、このたび破局に至り、戻ってきた。

彼女が免許を取る時に、MTで取っとき!!とアドヴァイスしていたのが功を成した。ま、本人は中型二輪教習でギア付きを経験していたので、あまり抵抗はなかったらしい。

というわけで、文字通り産んで増やしたMT族・・・

 

彼女が運転出来るように保険も書き換え(当然保険料は大幅アップ)私がルーテシアに乗っていない時は自由に乗ってもらうことにした。女で私のルーテシアを運転する人間自体が初である。新鮮な景色だ。

同乗で夜間練習。
その前にこのルーテシアについてのストーリーを改めて聞かせなければならない。
「最初に試乗した時は幼馴染が付き合ってくれて・・・云々」
「このマットはわざわざイングランドから取り寄せて・・・云々」
「このライトとシフトノブはルーテシア友達のふぐさんという人が装着してくれて・・・云々」
「外も中も、お友達の工夫と知恵と善意が詰まっていて・・・云々」

納車された時のことを思い出さずにはいられない。まず最初に私がディーラーの担当さんに聞いたことはガソリンの入れ方だった。図らずも自分が初めてこのルーテシアに乗って運転した時のことが蘇ってきて、切なくなった。

初めてのルーテシア。エンストは1回。1速に入れたと思っていたら3速だった、という入門者あるある。私もやったよ。しかし、こちらから言わなくても自らシフトダウンしていたし、発進も帰る頃にはより自然に半クラッチがこなせるように。さすが若者。
やはり坂道発進はプレッシャーらしい。いくらヒルアシスト機能があるとは言え、何も考えずに坂道発進の操作が出来るようになるには経験しかない。私もそうだった。アクセルをふかし気味になって飛び出すのが怖いから、前車との車間距離をやたら開けていたっけ・・・色々と思い出すと同時に、そうは言っても私でさえ今でも全然乗りこなせている気がしないのだった。4年以上も乗っているのに。まだまだだ。

そんな私がアドヴァイス出来ることは「とにかく焦らないこと」ということくらい。慣れないうちは自分もそうだったが操作を焦りがち。でも、正直慣れるまでは余裕なんて持てないのも事実。だから、実質教えられることなど何もない。楽しいと思ってくれたらそれでじゅうぶん。

彼女は私がどれほどルーテシアを溺愛しているか見てきたので、自分が運転することに若干ビビってはいたが、「新しいの買う時が来たら、大事にするからちょうだい」と言っている。まぁ、それはその時が来たら考えよう。

次世代 Her Favourite Car が誕生した瞬間であった。

本人の率直な感想
「左手忙し過ぎ!!」「ブレーキ効く〜」「加速感が楽しい!」

 

「産めよ増やせよ?MT族」に4件のコメントがあります
  1. そうやって変態は遺伝していく…
    うちはしなかったけど(笑)

    1. なるほど、変態はこうやって増えていくんですね!って、嬉しがってどーする。
      せんせいのお嬢様も作品を拝見するに素晴らしい『美の変態』とは言えまいか。遺伝てことはせんせいも奥様も、ですな。納得♪

  2. 何とも微笑ましい、素敵な日常だ♪
    そして娘さんも美人さんで (๑・̑◡・̑๑)
    イイね!

    1. この21世紀令和の時代に、母親が娘にMT運転を伝授するのは時代遅れかただの変人か、ですな…
      でも最愛のルーテシアを繋ぐという意味では正解かな、と♪

コメントは受け付けていません。