今更『鬼滅の刃』コミック全巻をとうとう買ってしまった。『まんが日本昔ばなし』で育った世代なので、あの世界観は好きなのだ。アニメのほうは遊郭篇が終わったばかりだけれど、主題歌に「銀朱ぎんしゅ」という言葉が出て来る。何とも素敵な字面だ。これは想像通り色の名前で、黄味寄りの朱、ということらしい。モニターだと見え方が違うかもしれないがこんな色だ。朱という色が元々黄味だし、銀からイメージする色は私の場合「蒼」なので、意外だった。なかなか良い色。

私たちは普段、色を表すのに非常にシンプルに「赤」とか「青」とか表現しているが、それは便宜上のことで、本来、無数の色がそこには存在している。クルマ愛好家の皆さんならわかっていただけるだろう。ご自分の愛車の塗装を間近でじっと眺めていると、何色もの色が見えるはずだ。無彩色と言われる黒や白とて、豊富なヴァリエーションがあるものだ。そして、上に挙げた「銀朱」のように、日本語の色名は美しいものが多い。

今回、人生初めて出品した私の絵は、ガンダーラから出土した3世紀頃の仏頭がモチーフ。最終的に画面に見える色は珊瑚、瑪瑙、岩肌という色なのだが、この下にはもう何を使ったのか覚えていないくらいの色があった。

背景の候補は当初2つあり、ひとつは夕方の渋滞、もうひとつは富士スピードウェイ本コースの白線の凹凸、だったのだが、結果的に夕方の渋滞になった。

最初の下塗り

何となく輪郭を決めると同時に背景の絵肌を作る。夕方の渋滞がヒントに

画面全体を塗る→顔を描く→全体を塗る、を延々と繰り返す

輪郭の修正などもしながらさらに色を全体に塗っていき、ヒビ発現にて終了

当初はもっとオレンジ風味を予定したいたのだが、案の定途中で変わった。この色はたまたま出て来た色で、わりと好みのコーラルピンク系だったので、これでいこう、となった。割れたけど。

そして、割れたのは絵だけではない。

こんなライン、ここに入っていたかな???

これ、気温のせいなのか経年劣化なのかわからないけれど、ちょっと悲しい。吹き出し口の左の何かを貼った後のようなところ、前のオーナーさんはここにレー探を着けていたのかも。ここは運転席に座るとほとんど見えない箇所なので、これまで気づかなかったし、気づいた今もそんなに気にならない。ひび割れのほうがずっと気になる。

今年の夏で12歳だから仕方ないっちゃ仕方ない

ここまで来ると何の手立ても出来なさそうなので、気休めにバリアスコートを塗っておいた・・・

「割れもの色々」に4件のコメントがあります
  1. 内装の経年劣化は避けられない運命だと思いますが良いヤレ感とか味になると嬉しいですね。

    両面テープ跡は車で使うやつはかなり強力じゃないと落ちちゃうので、はがしにくいせいもありますよね。
    両面テープじゃないですが、先日の雪でリアウィンドウに貼ってたステッカーがあっさり剥がれてビックリしましたが跡は薄く残ってしまいなかなか取れませんでした。

    1. リーパーさん
      人間もそうですけど、いいエイジングと「ただの老け」と、やっぱり違うじゃないですか。
      何がそれを分けるのかはわかりませんが、クルマも同じかも。
      ステッカーやテープ類は悩ましいですね・・・・貼る時はあまり剥がすことを考えないので(私だけか)
      結局あとで苦労することになっちゃいます。雪で剥がれたということは水分が浸透してふやけたのでしょうか。
      ルーテシアはルノージャポンのステッカー、剥がすの諦めた記憶があります。

  2. 良い絵ですね!渋滞を絵に落とし込む、凄い発想です。ヒビは古の壁画の壁のヒビみたいです(悪くないと思ってしまいます)。

    Zのヒビはビックリですね。弾力のある素材なのに割れるんですね。

    1. ひろさん
      ありがとう!これを機に抽象的な背景に人の顔を落とし込む、というスタイルに走りそうです。
      Zのひびは経年劣化で仕方ないですね。あまりに自然にひび割れていたので気づきませんでした。
      中古車を買ったのは初めてなので、いちいちびっくりしていますが、不思議とイヤじゃありません。
      今日も両面テープを剥がした跡を見つけて、前オーナーはここに何を貼っていたのだろう、など
      想像して楽しんでいます。

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