2022春のBGMと本

少し前、急にポラロイドカメラを持っていることを思い出し、部屋じゅうを探して数年ぶりに引っ張り出して来た。まだフィルムが入っているようだったが、装填してからかなり年数が経っているので写るかどうか試してみる。

家族にシャッターを押してもらった。

これはこれで「味がある」ってやつ?

このカメラ自体がとっても可愛いのだけど、出番はあまりない。

ポラロイドは、やはりフィルムの価格の高さがネックだ。出来上がった画像は日常の一コマでも映画的なものが多くて好きだし、正方形のフレームも好き。デジタルでは表れない空気があるからもっと日常的に撮ってみたいのだけど。チェキにはあまり惹かれないしなぁ。

最近よく聴いている新入りとして、2組の音楽家がいる。

まずアニメ『平家物語』のオープニングで知った「羊文学」。

初期のサウンドは、私の愛する90年代シューゲイザーにとても似ていて耳に心地いい。娘世代のバンドだけれど、ヴォーカルのモエカちゃんのしっとり水分を含んだ重量感のある(でも透明感がある不思議な)声が良い。

アニメ『平家物語』、私はネトフリで視聴。今年の大河ドラマは見ていないが、鎌倉出身の私には馴染みのあるコンテンツである。ただし平家物語自体は完読したことはない。いつだったか、吉川英治著『新・平家物語』に挑戦したことがあったが、頼朝が三浦氏と合流するところでギブアップした。私にとっての平家物語とは大好きな『耳なし芳一』が入り口で、今でもあのお話は大好きだ。
アニメでは、「平家の良心」と言われた重盛さんが素敵なイケオジで(声も冨岡義勇の櫻井孝宏さんだから余計にカッコいい)彼亡き後から物語は急激に暗くなっていく。ちなみに私の推しは圧倒的に後白河法皇。ドラマ等でも必ず変態クセモノに描かれると決まっている濃いキャラだが、なぜか憎めない。

さて、羊文学。これは昨夜公開になったバージョン。今回一緒に演奏している君島大空さんは、最初聞いた時女性と思っていた。美しい作品なので聴いてみてください。

次はガラリと変わってイギリスのアーティスト、FKA twigs。様々な民族の血が混じった彼女自身がボーダレスを体現している。音楽は甘い浮遊感のある歌声に不穏な低音が絡み合う構成が多く、私は絵を描く時によく聴いている。聴く音楽にも色々あって、単なるBGMとして心地いい音楽だったり、泣きたい時に聴く音楽だったり、昔の思い出に浸りたい時に聴くものだったり、勉強のために聴くものや運動する時に聴くものもある。彼女の楽曲は何かインスピレーションを得たい時に効果的な気がする。

そして、最近買った本2冊。「ちゃんとした」本を買うのは久ぶりだ。

今年はワールドカップイヤーなので、以前からお気に入りのチームであるクロアチア代表の柱、ルカ・モドリッチの自伝。旧ユーゴスラヴィア代表の大ファンであった友人の影響。もっとも、この友人は現在セルビアファンなのだけど。東欧サッカーに精通している長束氏が訳しているので、限りなく原文に近い内容だと思って読んでいる。

そして、風景画嫌いの私が唯一好きな風景画を描くアメリカの画家、エドワード・ホッパーの画集。もう好き過ぎて泣くってくらいに、彼の描くアメリカの風景が(特にニューヨークの風景が)好きだ。パリに滞在経験もある彼は、当初フランス印象派風の絵を描いていたというのも興味深い。アートの中心地が欧州からアメリカに移った時代の後押しもあったのだろう。地元ニューヨークを描くようになったら絵が売れ始めたらしい。

連休は毎年のことながら遠出はせずに家に籠る予定。並んだり待ったりするのが嫌いなので、食事しに出掛けるくらいはするだろうけれど多分部屋に籠ってやらねばならないことをやっていると思う。本当はZで伊勢神宮に行く計画があったのだが、色々リサーチした結果やめた。普通の週末に出掛けたほうがストレスが少ないだろう。残念ながらお天気も良くなさそうだ。

それぞれに、良いお休みをお過ごしください。