突然猛暑になって、もう感覚的には8月頃なんだけど、皆さんお変わりありませんか。
毎朝6時台の出勤の時だけ屋根を開けているけれど(帽子付き)、それ以外はもう無理な季節に。でも、屋根が布なせいか、熱のこもりが意外と少なく感じる。これは予想外の良いことかも。エアコンのメンテもディーラーでやって頂いたので、匂いも快適になった。
私自身は天候のせいか体調がずっとイマイチだったが、梅雨明けしたら何となく元気になってきた。暑さはきついけれど、どんよりした天候よりずっといい。そして、去年の大治療から1年、生き延びられてよかったと思う。先日、治療補助で入っていたステントも無事に抜去出来た。仲良くして下さっている皆さんに感謝。
この夏は本格的に「ゲイジュツ家」気取りで、毎日自室に籠もって絵を制作している。昨年は棒に振ってしまったし、今度こそ大学を卒業するためだ。自室もこれまで「部屋の片隅で絵を描く」という考え方を一新、絵を描くのがメインの部屋として多少の配置換えを行った。
念願の岩絵具専用の引き出しも買った。岩絵具は際限なく増え続けて行く・・・お金もなくなる・・・
で、上野の教室で別途制作中の「銀箔演習:フェアレディZロードスター」は、現在こんな感じ。
クルマの絵は、水彩油彩やデジタルイラスト、色鉛筆、鉛筆デッサンなどは山のように出て来るけど、日本画はなかなかお手本がない。ここから先は先生と相談しながら進めていきたい。
そして、来月からは卒業制作のターンに突入。サイズは100号(部屋に写っている制作課題は40号、上のZは8号サイズ)。長辺は私の身長とほぼ同じくらいある。半年かけてこのサイズを描ききれるのかどうか不安だが、ここまで来たらやるしかない。
毎年の日本画コースの卒業制作を眺めてみると、花や木、風景などの自然界が6割、人物が2割、人工物が1割、抽象が1割、といったところか。私は自画像だけど、ルネサンス時代のあの超有名作品を参考にする予定だ。
どうしてこれが自画像なの?とお思いだろうか。絵の中で進行中の物語とはまるで違う世界線に佇むような男が一番右端ににて、ただ一人、画面の中から私たちを見ている。この男こそがこの作品の作者であるボッティチェリと言われている。つまり彼の自画像。なかなかのイケメン。そして宗教画の画題とは言え、登場人物は当時栄華を誇ったメディチ一族。だからこの絵は、当時の現代美術だった。余談だけど彼の描く女性は8頭身の美女が多く、肌や髪や爪先まで、ため息が出るほど細部にまで美意識が徹底されている。もっとも有名なのは『ヴィーナスの誕生』『春』、皆さんもご覧になったことがあるだろう。私も実際にウフィッツィ美術館で対峙した時は足が震えた。私が「美しいな」と感じる女性は年齢国籍問わず、おそらくボッティチェリの描く女性像に影響されていると認める。
そんなこんなで楽しい計画はひとつもなく、基本的には制作と美術館廻りで人生を回していく夏になりそうだ。
皆さんもご自愛ください。