女子と呼ばないでください

ここ10年くらいの最もたる違和感は「女子」という言葉です。

〇〇女子って結構便利なのか、至るところで使われていますよね。年齢に関係なく。女子会とか女子力とか。クルマの記事なんかでも「女子受けがいいクルマ」とかよく使われるでしょう?なんか日本って「若いことがイイ」みたいな風潮がいつまでたってもあるじゃないですか。どうしてなんでしょうね。青春の美しさ、儚さってそういうことじゃないでしょう。男性の「若い女の子」に対する憧憬、女性の「若いツバメ」への憧憬もそうですけど、若い=素晴らしい、という考え方が一部間違った方向にいってると常々感じています。

だから、大人の女にもとりあえず「女子」って言っておけば失礼にはならない、と思われるのでしょうか。女子って言われて喜ぶ女もいると思いますが、私は嫌です。

私が思う女子のピークは高校生くらいまで。現代の普通の女子高生を見てくださいよ。女子の可愛さで周囲をも明るく照らしているではないですか。女子って言葉は彼女たちのためにあるのです。
100歩譲っても20代前半くらいまでなら「日本てそういう文化よね」で受容は出来ます。しかし、なぜこの年齢になってまで「女子」とカテゴライズされるのであろう。たまに世の中のトレンド探りのために女性誌をリサーチしたりしますが、明らかに年齢層高めの読者をターゲットにした雑誌でも「女子」という文字が躍っているのは何事なのでしょう。例えばね、70代の女性たちが「私たち女学校の同級生なの。今日は未亡人女子会よ、ウフフ」とか言ってるのは突き抜けていて微笑ましいと思うんです。ですが、私の年代で「女子力向上」「〇〇女子を目指して」とか言われてもねー、笑えるどころか不快です。

加えて「女子」という言葉が嫌いなのには、過去の面白くない記憶があるからです。
昔の中学校は今よりずっと閉鎖的で出る杭は打たれる世界でした。個性なんかとんでもない!って風潮です。私は昔から人と同じがカッコ悪いと思っていたので、当然浮きまくり。女子グループには属さず、常に一人で行動。そして音楽や海外の話題で男子とのほうが話が合う。だから、同性受けはかなり悪い。いじめられることはありませんでしたが(むしろ不気味だったのか近づいて来なかった)、色々な噂を立てられたりしましたね。で、ある日面倒になって学校行くのをやめました。2か月で復活しましたけど。女子の世界って面倒!早く女性になりたい!と願っていたものです。

でも、今は思うんです。あの当時、バレエやピアノを習い、ブラームスを聴き、サガンや山田詠美を読み、フランス映画のビデオを観て、伊達眼鏡をかけて渋谷の雑貨店や銀座のソニープラザまで一人で買い物へ行き、年上にモテるにはどうしたらいいか常に考えていた私は、結局周りの誰よりも女子だったではないか、と。

高校に入って世界が少し広がり、親友と出会えたり留学したりしているうちに、私はやっと女子の呪縛から解放されました。そう、やっとの思いで女子を卒業したんです。そして、以来ずっと自分は「女」だと思って生きてきています。今更女子じゃねーよ!と叫びたい。女子と呼ばれるくらいなら「メス」とか「ばばあ」のがマシです。

同じ音なら女史って言葉がありますね。実際は女史ってほど何かを成し遂げたわけでもないのでおこがましい気もしますが、女子より女史。でも、やっぱり「マダーム」が最高最強かな笑。

 

「女子と呼ばないでください」に2件のコメントがあります
  1. 女子じゃなくマダーム、女子じゃなくマダーム・・・気をつけないと。笑

    「若いことがイイ」みたいな風潮。ありますねぇ。若いんだから肌も髪も綺麗で当然。元気だってあるんだから。それも近頃は大分緩和されてきたような。女子高生がブームの最先端、みたいに言われていた時期はとっくに過ぎたようですし。あれは本当にウンザリでした。私は断然年上女性が良いのです。笑

    1. 実際マダームとか呼ばないでくださいね笑。それはそれで恥ずかしい・・・

      ひろさんが年上派なのは、ひろさんがまだお若いからでは?笑 男性も40を過ぎると視線が下に行くようですよ。まあ、女性もそうみたいですけどね。若さは一過性だから美しく見えるのだと思いますね。中年以降で若さにしがみついている人を見ると痛々しく感じます。毒されてるなぁ、と。女子を卒業する気がないおばさんは嫌です。
      「ひとつ年齢を重ねるごとに、肌を見せなさい」はフランス流。日本は真逆で「隠しなさい」ですよね。文化の違いと言ったらそれまでですが、私は断然前者を支持します。

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