BLOG 憂鬱はショパンの調べ

昨年からショパンの作品に挑戦中。
2週間に1度のレッスンなのでなかなか進まないのですが、練習する時間もあまり確保出来ないからちょうどいいペース。

私は彼の「幻想即興曲」が弾きたいがためにピアノレッスンを再開したのですが・・・

でも実はショパンはそれほど好きな作曲家ではなくて。彼の数あるピアノ作品の中で、「幻想即興曲」が幼い頃から思い入れのある1曲というだけのこと。私にとって彼のイメージは「若くしてワルシャワから華やかなパリへ出て来て右往左往しているうちにジョルジュ姐さんに振り回されて正気を吸われて死んじゃったナイーブな人」。ジョルジュ・サンドは年下の芸術男子がお好きだったようですが、とにかくエネルギーに満ち満ちた女性というイメージ。クララ・シューマンはスーパーウーマンでも良妻賢母という感じですが、やっぱり年若いブラームスに慕われていましたね。アルマ・マーラーは絵に描いたようなビッチで大好き。旦那がいかんせんアレなもので気の毒でしたけど・・・

近代フランス(ドビュッシー以外)とバロック、そして近代ロシアが好きで良く聴くのですが、自分で弾くには当然どれも難易度高過ぎて無理。プロコフィエフなどは楽譜を見たってどうやって弾くのか謎のまま。ショパンなら作品によっては頑張れば弾けるかも、ってちょうどいいレベル。でも、ピアノをやっていると幼い頃からショパンの曲は耳に焼き付いているので、憧れとして半ば強制的に刷り込まれているような気がするのです。

現在は、ノクターン(遺作)という、これまた陰鬱な曲を練習していますが、音楽の力ってとても不思議で自分の演奏技術がド下手であっても入り込んでしまいます。そうすると感情移入してしまい、わけもなく泣きたくなったりして。時々、彼の目にパリという都会の風景はどんな風だったのだろう、と考えたり。

私のクラシックの好みもやはり偏っていて、基本ピアノが好きなのでピアノ曲またはコンチェルトがメイン。ただしモーツァルトとベートーベンはどーうしても好きになれず、好きな作品がひとつもない。ブラームスはちょっと例外的に交響曲も好き。室内楽、宗教曲、と思えばいきなりバルトークやペルトなんかも聴いたりするので偏食の雑食です。全作品持っているのはラヴェルとラフマニノフなので、多分この2人が一番好きなんでしょう。自分の命が消え行く時に流れていたらいいなと思う曲は、20代の頃からラフマニノフのチェロソナタ作品19、第三楽章Andanteであることに変化はありません。

ミッシャ・マイスキーのコクのある演奏でどうぞ。

 

いつ聴いても泣けてくる曲ってそうそうないんですけど、これは本当にこの世の最後に聴いていたい曲。私が本格的にラフマニノフに目覚めた記念すべき作品でもあります。ってショパンの話をしていたのにいつの間にか・・・