クルマで巡る宇都宮美術館

クルマで巡る美術館第4回は宇都宮美術館(栃木県宇都宮市)です。

地方の美術館が素敵

作品はどうしても都心に集まりがちですが、ハコ自体は地方の美術館のほうが魅力的であることが多い気がします。しかもドライブの目的地になり得るので、クルマで美術館巡りは充実した休日を過ごせる方法のひとつ。

東北自動車道 宇都宮インターを降りて、国道119号を少し南へ戻る感じ。交通量は多いですが道路も広くわかりやすいので、迷うことはないでしょう。途中、左折して瀟洒な住宅街に入っていきますが、地方の美術館はこのパターンが多いですね。

丘を上がっていくと門がありますが、この門の前を左折して少し下ると駐車場がありました。どうやらここは「うつのみや文化の森」の駐車場のようです。もちろん無料。その名の通り、森の中なので木々の緑が美しい駐車場でした。

ここから案内板に従って美術館まで歩いて行くのですが、途中に広大な芝生スペースがあります。

美術館の周囲の環境もとても大事。こうして美しく整備されたスペースが周囲にあると、期待感が高まりますね。物思いに耽りながら歩くには最高の環境。

 

人間はかくも彩豊かな生き物

さて、いよいよ美術館に到着。
エントランスは小さ目ですが、建物の印象はシンプルで洗練されています。お庭に屋外オブジェがどーんと設置されているのが見えます。
今回は「美術館狂詩曲 20世紀の痴愚神礼讃」という企画展を鑑賞しにやって来ました。

 

中へ入るとまずミュージアムショップに目が行きます。図書スペースも隣接しており、テーブルとイスがありますので、勉強したり書き物をするにはちょうどいい感じ。ミュージアムショップにふらっと入りたいのを我慢して、まずはチケットを。学生証が見当たらなかったのに、学校名を言って学生料金で入館させて頂き感謝です(後で見つかったので提示しました)。一般は800円です。

レセプションから展示室までの廊下は、すごく雰囲気がありました。ソファに座ってぼーっとするのもいいかも。

中は撮影禁止なので画像はありませんが、「痴愚神礼讃」ということで、全部で8つのセクションに分かれていました。

1.アノイア(無思慮) 2. ピラウティア(うぬぼれ) 3. ヘードネー(情欲) 4. パトス(情動) 5. モーリア(狂気) 6. コラキア(追従)とアニュポタクトス(反骨) 7. レーテー(忘却) 8. パラロジスモス(不条理)

観終わってみるとシャガールの作品が多かったように感じます。シャガールはパリ・オペラ座ガルニエ宮の天井画の印象が強く、小さい作品は今回初めてまじまじと見ました。好き嫌いで言えば、あまり好きではありません。色彩は観るものがあるのですが、いかんせん作風が私の嗜好とは一致しないようで。私が今回の展示で長く見ていたのは「情欲」コーナーにあった「サロメ」のエスキースです。日本人画家、陽咸二の作品(エスキースなので正確には下絵ですが)だったのですが、何しろ私、サロメやユーディットなどの「生首もの」が大好きなので。私が全世界で一番好きな洋画もフィレンツェにあるユーディットを描いた絵ですし、学校の卒業制作も生首ものでいこうかと考えているくらいです。

興味深かったのはスタイリッシュなバウハウスのパンフレット。それから旧ソ連などのスローガンポスター。今見るとプロパガンダとしか思えませんが、明確なメッセージと、コントラストの強い力強いデザイン。意外とポップでお洒落です。しょっぱなのクレーの水彩画「腰かける子ども」はなかなかのインパクト。これコドモが描いたんでしょ、って言いたくなるクレーの絵ですが、癒されます。上村松園のお孫さんである淳之氏の作品もありました。

なんだかんだでたっぷり観た!という充足感は得られましたね。

 

ミュージアムショップは充実の品揃えで、洋画日本画まんべんなく様々なグッズが売っています。私はフェルメールで唯一好きな作品「真珠の耳飾りの少女」をウォーホル風にアレンジしたトートバッグなどを購入。マスキングテープも充実していました。各種美術書もあるので、じっくり見ているとあっという間に時間がたってしまいます。何しろ静かなので。

この場所から来た道を下りきったところの右側に「フライングガーデン豊郷台店」があります。こちらの爆弾ハンバーグをランチにおすすめ。店内は清潔で明るく、天井が高くて開放感も。爆弾というネーミングの割には、上品な味だと私は思いました。私の住んでいる地域には店舗がないのが残念!

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