クルマで巡るクレマチスの丘

クルマで巡る美術館第3回はクレマチスの丘(静岡県長泉町)です。

 

丘の中のガーデン

ここは小綺麗な文化複合施設で、美術館と名のつく施設が全部で3つ。今回はそのうち2つの美術館を巡ってきました。

クルマで行く場合は、新東名の長泉沼津インターが距離的には近いんでしょうか。と言うのも、私は箱根を超えて国道1号線経由なので高速ルートはよくわかりません。山の中にあるのですが、道は舗装されているのでとても走りやすいです。途中までは「本当にこんなところに?」と思うのですが、視界が開けると整備された美しい銀杏並木が出現してきます。

無料駐車場は周囲に3つ、奥にある別エリアに1つあります。個人的には奥のビュフェ・エリアにある駐車場をおすすめします。

こちらは第一駐車場。すぐ隣で満車であることが多いです

 

今回は第2駐車場へ。戻って来たらこんなガラガラなのに隣に停まっているクルマが

さて、まずは今回のメインである「ヴァンジ彫刻庭園美術館」へ入園します。入園料は2つの美術館のセット券として大人¥2,000円です。これを高いと見るかどうか。私はもう少し安くしてもいいかなと思いましたが、庭園などは常に人の手が入っていますし、駐車料金込みとして考えればアリかな、という印象。

彫刻と花々

こちらの庭園美術館は、ところどころにイタリアの彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの作品が設置されています。ですが彫刻を鑑賞と言うよりも、彫刻を含んだランドスケープを実際に歩いて楽しむという感じです。

 

 

 

 

 

こじんまりしていて、思わず芝生に寝転びたくなる、そんな庭園です。静岡って本当に文化的レベルが高いと感じます。こうした有料の庭園美術館でなくても、四季の花々を愛でられる公園などが多いことをお友達のお写真で知りました。今、私の中で静岡が熱い!というのも、今年度はいよいよ写生課題に入っていきますので、写生する風景をリサーチ中。クルマで行きやすい距離で、四季の美しさが楽しめるというのはかなり重要。

 

ビュフェを知る

庭園美術館を出て坂を上っていくと、だんだん森の中に迷い込んだようなエリアになってきます。そこに「ベルナール・ビュフェ美術館」が建っています。ここは昨年の秋にも訪れている場所。周囲の森林公園には吊り橋などがあり、山気分を少しだけ味わえます。アウトドアが苦手な私はちょっとパス。

ロゴは画家自らが描いたみたいですね

ここはフランス人画家ベルナール・ビュフェ(1928〜1999)の作品を集めた美術館です。スルガ銀行のお偉いさんだった方が収集したとか。どこの私設美術館も、やはり実業家のお金持ちで成り立っているようですね。そのおかげで私たちもこうして作品を間近で観ることが出来るのです。

この美術館、造りも中も、とても洗練されています。ゆっくり観て回っても45分あればじゅうぶんではないでしょうか。この、ベルナール・ビュフェという画家の作風はとにかく暗いです。乾いた暗さ。そして、観るものを落ち着かない気分にさせる不思議な空気を放っています。ゆえに好き嫌いが分かれるところですが、私は「作品による」としか言えません。

人物画より静物や風景画のほうが、私は好みですね。一番好きなのはこれです。

静物

シンプルな静物画ですが、銃がさりげなく置いてあるところが想像力をくすぐります。暗い画面で、しかも静物を描いていながら不穏な気持ちにさせてくる。すごいなと思います。

New Yorkシリーズも暗いですが、とてもスタイリッシュ。

近くで観ると適当に線を描いてるだけに見えるんですが・・・

彼の絵はくすんだ暗い色を多用しているので、観ていて決してエネルギーをもらえる絵ではありません。でもちょっと癖になりそうな要素があるんです。ふわふわした作風ではないので、美術館の中の空間もとんがっているような気が。居心地はとてもいいです。洋画がお好きな方にはオススメです。

 

ドライブの目的地にはもってこい

こちらの美術館の手前には小さなカフェと書店があります。ビュフェの作品集やアート本などを置いてあります。気に入った絵があったら、ポストカードも買えます。ただ、書籍類はメインエントランスのミュージアムショップNOHARA BOOKSのほうが充実。

前回も今回も気軽に入れるイタリアンカフェCIAO CIAOで一休みしました。ジェラートが美味しい。なお、ティータイムにお食事は出来ません。ランチでは美味しいピッツァをいただけます。

行きやすい場所ではありませんが、クルマで行くにはとても素敵な目的地になり得るところです。周囲は整備され、プールのあるお宅まであります。ちょっとした別荘地みたいな趣。圧倒的に女性が多いスポットでもありますね。

クレマチスを楽しむなら5月からがオススメです!

 

クレマチスの丘

https://www.clematis-no-oka.co.jp/