東京のタクシー

夏と言えば、祭。

祭と言えば、私が世界一好きなこのPV「長く短い祭」

 

彼女のPV傑作は多々あれど、この数年で私がもはや「感涙」と言ってもいいくらいに心震えたのがこのPVでした。というのも私の大好物がたくさん詰まっているからです。

「本」カテゴリでも書いたように、私は「惚れた男を殺める女」がヒロインとしてとても好きです。椎名林檎の作品にはこのタイプの女が何人かいるのですが、この作品の歌詞は直接的に男を殺める歌詞ではありません。

大好きなものが詰まった稀有な映像

東京(江戸)の夏がまず大好きです。そして主演のSAYAさんが美し過ぎる。ショートヘアの似合う女性、大好きです。このスタイルも、鳥居清長の描く浮世絵から抜け出してきたような素晴らしさ。彼女の本業はダンサーなだけに、踊り狂うシーンもカッコイイ。訳ありで不機嫌な表情も最高です。煙草を吸う姿もサマになってますね。お部屋の中のシェルの照明も私の大好物です。東京タワーもチラリと映りますし、アングラなクラブは懐かしさすら感じます。そして、時々カットインされるタクシーの映像。誰の視点かはわかりませんが、ありふれた東京のタクシーがまるで虚無僧のような佇まいに映ってます。そして、「目的を遂げた」彼女の頬に反射する赤いライト。良からぬ赤いライトですが、頬を染めているようで絵的には美しい。

曲調は聴きやすい軽めのポップス調なんですけれども、PVで描かれるストーリーは重くて激情的なこのギャップ。最後まで鑑賞して、初めて冒頭のバスタブが意味を持ってくるという演出も素敵です。「どうしてこの結末なのか」を好き勝手に想像出来る映像は大好物なのですが、これもそのひとつです。

乗車は楽しめないけれど見るぶんにはいい

東京のタクシーは近距離の価格が下がったこともあって、都内での移動にはちょくちょく使います。歩き疲れたとか面倒だとかそういう時に・・・タクシードライバーとは言え、他人の運転にはものすごく緊張する私なので、車窓から都会の景色を楽しむと言うより、周囲の交通状況を観察してしまうのは悲しいサガですね。「右車線のほうが早いんじゃない?」とか思っても言いませんけど。基本的に目的地までのルートはドライバーさんにお任せしていますしね。

でもそんな東京のタクシーも、このPVの中では東京の無機質さが表現されていてかっこいいんです。

椎名林檎のPVは初期の頃のほうがインパクト大なものが多いかな。看護婦のコスプレでガラスを割る「本能」や、ベンツ真っ二つの「罪と罰」などなど。東京事変の初期のも良いですよね。彼女がただ楽器を弾き鳴らしている姿も大好きなのですが、数年ぶりにガツンと来た思い出のPVがこの「長く短い祭」。

今年もこの歌の季節が来ました。

 

「東京のタクシー」に2件のコメントがあります
  1. この歌、ラジオから流れるたび「お、これ良いよねぇ」と思っていましたがPVも良いですね。やはり主演の方が美しいです。このような方がいらっしゃったら目が釘付けでしょう。カッコイイ~って。

    1. 美しいですよねぇ。女から見ても惚れ惚れしてしまいます。こういうのをクールビューティって言うんじゃないだろうか、と思いますね。媚びない美しさというか。

      歌のほうも、「一寸女盛りを如何しやう」なんて彼女にしか書けない歌詞だと思います。この時期に聴くのにおススメ(私は1年中聴いてますけどね♪)

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