心がざわつく音楽家2021

私は人生全部で音楽と美術を愛してきたが、そのどちらも繋がっている。音楽から絵を想起することもあれば、絵から音楽を想起することもある。自分が描いている時は、その作品の世界観に近い音源のプレイリストを作り、聴きながら作業する。

最近「日本の若い音楽家」に心を持っていかれている。4人をピックアップ。まずは男性2人から。


角野隼斗(a.k.a Youtuber「かてぃん」)

とにかく指が美しい人

常田大希(a.k.a King Gnu、millennium parade)

このルックスでチェロ弾くとか反則過ぎる

2人とも、すでに「音楽家」と呼ぶに相応しい、ジャンルレスの活動をしている。

この2人に共通していることがいくつかある。
・クラシック音楽の土壌がガッツリある(ピアニスト角野とチェリスト常田)
・純粋に、奏でる音が美しい
・芸術的才能の宇宙空間みたいな感じ
・演奏している姿がイケメンを通り越して美
・トークが下手
・国内最高峰のアカデミック(東大&藝大)ゆえか、賢い
・新しいことに挑戦している姿勢が気持ちいい
・天は二物どころか三物も四物も五物も・・・与える時はたくさん与えるという不公平な事実を突きつけられて、自分がいかに凡人か開き直れる

この2人に注目することで、老若男女問わず、アイドルやアスリートのファンの気持ちが少し理解出来るようになった。あれでしょ、例えばCDは限定盤はもちろん通常盤などの全ヴァージョンを買うんでしょ。私は先日それで失敗した。

私の机の前の祭壇でござる。普段は買わない雑誌なんかも買うようになるのだな・・・

まぁ2人ともカッコいいので多分にミーハー的な感情もあるにはあるのだが、こちらも表現者の末端として学ぶべき姿勢や受ける刺激がある。

さきのソロリサイタルで角野隼斗が話していた。
「人と違うことをやりたい。でも、人と違うことをするのは怖くもある」

彼ですらそう感じることがあるのだ。ましてや素人の末端である私なんぞ怖いを通り越して諦めている感すらある。でもそれではいけないのだ。

そして、女性編。

まず、初めて彼女の歌を聞いた時に思わず涙がこぼれてしまった青葉市子。

何だろうこの声。日本語なのに酸素みたいにすーっと体に入ってくる。心地いいのに悲しい。幼稚園の頃、いつもお昼にお弁当じゃなくて菓子パンを食べていた太った女の子のことを思い出して胸が締め付けられるのはなぜだろう。最新作『アダンの風』はここ最近で一番泣いたアルバムだ。

もう1人は、現代音楽と表現してもいいであろうUtena Kobayashi。

やっぱり声がいい。そして、もはや言葉ではなく声が楽器。ご本人はスティールパンという打楽器の演奏者だそうだ。創作活動中にずっと流していたい。刺激をもらえる。

日本の素晴らしい音楽家は巨匠たちだけじゃない。コツコツと真摯に音楽という芸術に向き合っている彼らを心から尊敬する。

ちなみに彼女たちの作品に出会ったのは、Apple Musicのレコメンドリストのおかげでもある。私の職場は音楽の選択権が私にあるので、リストに上がってくる作品はよく流している。職場なので普段は圧倒的にジャズが多いのだけど、たまにハッとさせられる作品に出会うと嬉しい。

私は芸術に救われているんだなあ、と思う。