クルマで巡らない原美術館

「クルマで巡らない美術館」第1回は原美術館(東京都品川区)です。

ドイツ車率高しな小径を行く

JR品川駅の高輪口から徒歩約10分強。行きはほんの少し上り坂です。

高輪口を出て左、五反田方面へ道なりに歩いて行きます。右方向へカーブしますのでそのまま坂を上っていくと、左側に小さく看板が出ているので、そこを左折。あとは細い道路をまっすぐ歩くだけ。気持ちいい季節ですので、散歩だと思っててくてく歩いて行くのもいいです。すると左手にひときわ大きな門構えが見えてきます。

閑静な住宅街の中にひっそりと存在しています。周りのお宅は圧倒的にドイツ車ばかり。本格的な豪邸っぽいお宅はシャッター付きの車庫なのでクルマは見られずですが。

瀟洒な白い壁が目印です。
何だか個人のお宅にお邪魔するようなプライヴェート感満載で、わくわくします。実際、こちらは実業家 原邦造氏の邸宅だった建物。

 

アプローチ。以前は車寄せだったのでしょう

実業家で美術品をコレクションしている方はよく聞きますね。
欧米ではいかに上質な美術品コレクションを所有しているかがお金持ちのステータスでもあるようです。

こちらの原美術館は現代アートがメイン。今回はアメリカの女性画家 エリザベス・ペイトンの個展「Still life 静/生」を鑑賞してきました。

 

永遠の一瞬

館内は「こんなお宅に住みたい」と思える、シンプルで重厚な空間が続きます。たくさんある窓からは柔らかい陽射しが注ぎ、ほとんど自然光だけで作品を照らしているよう。お庭もあり、カフェが併設されています。すごくいい雰囲気なのですが、残念ながら撮影禁止でした。

今回の展示は、板に油彩のポートレートが中心。
ロックミュージシャンや映画のワンシーン、愛犬や自身を描いた作品もあります。私は風景画より肖像画、つまり人間を描いた作品を好むので1点1点魅入ってしまいました。

特に「眠るカート」と題された作品が印象的。
カートとはニルヴァーナのカート・コバーンのこと。私の好きなバンドのひとつでもあるのですが、彼は27歳で自らの命を絶っています。彼の遺したメモのような遺書を、私は以前カリグラフィーの作品として書いていたことがあります。
どこか柔らかい、少女のようなあどけない寝顔。タイトルがなければ、少女を描いた作品だと思ってしまったかもしれないくらい。まさにStill lifeな一瞬。対照的だったのがセックス・ピストルズのシド・ヴィシャスのポートレイト。シャープな眼差しと華やかな色使いで、絵の中からも存在感を放っていました。

ショップはこじんまりしていますが、ちょっとしたおもちゃ箱のよう。
今回はオバマ前大統領夫妻が表紙の作品集と、エヴォリューション消しゴムと名付けられた楽しい消しゴムを購入。猿のほうから使っていくと、だんだん人間に進化していく、というもの。逆に人間のほうから使って行けば猿に向かって退化していく、というユーモラスな1品。

反対側は猿のシェイプになっています

 

前庭には野外オブジェも数点ありました。
現代アートを味わった後は、必ずと言っていいほど浮世絵が恋しくなります。この御殿山付近は浮世絵にも登場していますし、私が世界で一番愛している浮世絵は品川の遊女を描いたものなのです。

懐かしい公衆電話とテレビを使用した作品

 

 

自分も作品の一部に

 

小さい美術館ですので、ゆっくり回っても疲れません。ほどよい大きさです。雨の日も素敵だと思います。デートコースに強くお薦め。帰りは品川駅まで徒歩で戻り、港南口のザ・ストリングス内のTHE DINING ROOMでディナーでもいかがですか。ここは私が都内でもっとも好きなレストランのひとつです。もしかしたら一番好きかも。

次回はメルセデス・ベンツ主催のアート企画をやるそうなので、また訪れたいと思います。

 

原美術館
http://www.haramuseum.or.jp

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クルマで巡らない原美術館” への4件のフィードバック

  1. DRIVER "A" のコメント:

    確かに、ただでさえ普段から飛び回られていらっしゃいますものね。

    ラフォーレ時代からホテルということは認識していたのですが、見た感じマンションぽくて不思議なホテルだと思っていました。
    品川だと、色々な条件でどうしても反対側のストリングスを選んでしまうので(すでに来月もしっかり予約している笑)、マリオットにも一度挑戦したいと思います。
    高層階のBay viewですね、了解です♪ って会社敷地内のホテルにお泊まりになるなんて・・・激務なのですね。お疲れ様です。

  2. LongSi のコメント:

    なかなかノンビリ周囲を散歩する機会って無いですが、一度覗いてみたいですね。原美術館。

    そう。マリオットは、その昔ラフォーレでした。
    先日、マリオットの高層階Bay viewな部屋に泊まりましたが、真夜中の港湾地域の夜景も味があって良かったです。オススメ。

  3. DRIVER "A" のコメント:

    LongSiさま、いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。

    そう言えば、私の以前の職場の顧客(中東ガス関連)も、あのあたりの高級アパートメントで赴任生活を送っていました。
    すぐ近くの五反田は雑多なイメージですが、このエリアは全然、雰囲気が違いますね。
    マリオットホテルって昔はラフォーレって名前でしたよね。あのエリアにお勤めとは、夜景が美しそうで羨ましい!

    原美術館、機会がありましたら是非お散歩に♪

  4. LongSi のコメント:

    その界隈、大使館がポツポツあったり、ドイツ車に限らず、輸入車保有率の高いエリアですね。
    そんな中に、美術館があるのは知りませんでした。
    因みにワタクシの勤務地は、原美術館の近く、マリオットホテルも入ってるトラストタワー内だったり・・w

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