今週末は鈴鹿でF1だそうですね。
F1自体にはそれほど興味がないのだが、レースのための準備過程の写真には目が釘付けになる。運ばれて来たマシンや、それを扱うスタッフたちの姿などなど。国内のレースでも、ピットワークを見ているほうがワクワクする、ということに最近気づいた。
かっこいいいい~
こういうのとか
いやもうチラっと見えるお馬さんが美し過ぎてドキドキする・・・
美しいクルマって、一般乗用車であろうとスペシャルなマシンであろうと、芸術作品だと思っている。だから、静止した姿を愛でるのに何の違和感もない。
その昔、確かアイルトン・セナだったか、ナントカの貴公子、と呼ばれていたような気がするが、レーサーって過酷な職務とは裏腹に、物腰柔らかい良い意味でヤサ男が多い印象。騎手と同じで自らの体重もハンデになる?からか。国籍人種問わずシュッとした素敵な人が多い。
話は変わり、8月の話になってしまうし、東京での展覧会はすでに閉会してしまったが、開催前から話題沸騰だったリヒター展。東京は竹橋の国立近代美術館にて。私のMacBook の壁紙もリヒターの作品だ。ちなみにリヒターと言えば私がもっとも好きなピアニストのラストネームもリヒター(リヒテル、すでに故人)である。今回の画家のリヒターは現在90歳。90歳っていうと一般的にはかなりヨボヨボなイメージだけれど、彼はシャンとしている。そしてエネルギッシュだ。存命芸術家の中では現代最高の美術家とも言われている。
今回の目玉は『ビルケナウ』という連作の来日。近代史を嗜む方はこの名称にピンと来るかもしれない。ビルケナウとはユダヤ人強制収容所のひとつで、そこで秘密裡に撮影された4枚の写真をもとに制作された作品だ。ピンぼけながら、そこで何が行われているのかは明確にわかる恐ろしい写真なのだけれど、その風景のあまりののどかさが一番狂気じみている。そして、ゾンダーコマンドという、ユダヤ人捕虜の中から選ばれた監督者たち。彼らには捕虜にはない特権などもあったようだが、結局は口封じのために同じように処刑されたようだ。とにかく、こういった民族問題に疎い我々日本人からしても、非常に陰惨な気持ちにさせられる強制収容所関連の話ではあるが、作者のリヒターはドイツ人だ。旧東ドイツで生まれ、西側に移った人である。
アブストラクト・ペインティング(抽象絵画)で描かれている4枚の『ビルケナウ』。最下層には4枚のモノクロ写真のフォトペインティングが描かれているという。間近で見ると圧倒的な迫力。リヒターの作品はドイツの国会議事堂などにも設置されており、現代ドイツの国民的芸術家である。そんな彼がアウシュビッツを主題とした作品を制作することの意味とは何だったのだろう。様々な美術史家や評論家がそれについて論じている記事が展覧会前にはいくつも出回っていたが、私たちのような一介の鑑賞者にとっては目の前にある作品から受けるものがすべて。元ネタの4枚の写真も展示されているので私たちはそれらも見ることが出来るのではあるが、その写真を見てからこの絵画作品を見ると、底知れない陰鬱さがずどーんと迫ってくる。と同時に、画家自身の筆跡(この場合は筆、というよりスクイージの跡なのだけど)の確かさに安堵してみたり。
作品自体が大きいので、見ごたえのある構成。
上記作品は「カラーチャート」。
この展覧会の翌週末にスクーリングがあり、先生に作品の背景について相談したところ、「リヒターのカラーチャートみたいに、様々な色がランダムに並んでいるように見えて、実は心地よいリズムがあるような、そんなのでもいいかも」というアドバイスを頂いたのだが、「何とタイムリーな!」と驚くと同時に、余計に考え込んでしまった。でも、色のパワーって確かにすごいし、このパネルの前に座ってぼーっと眺めていると、いろいろな形が見えて来たり、ある感情が次々と沸いてきたり。でも先生、背景には強烈過ぎんか?
現代美術、特に抽象画は「よくわからないから」と敬遠する人も多いが、そもそも「よくわからない」ことがある意味正解でもあるので、よくわからないままに見るのがいい。私も今まで美術史やら何やら勉強はしてきたけれど、一枚の絵を見て共感することはあっても「わかった」などと思ったことはない。
次回は、同日に訪問した、あのタイヤの会社の美術館での展覧会について。
こんにちは。
見事にF1ホイホイにかかって来ました・・・・w
ワタシの中で一番美しいF1はFerrari 641/2です。
ググってみてください(^^♪
せんせい
中身はF1とまったく関係なくてスミマセン…!
Ferrari 641/2、ググってみましたが普通にカッコいいマシンなので、どのあたりがせんせいの美意識を刺激するのか是非教えてください!
普通だけど余計やモノが付いていなく、全てのラインが繋がっているからだよ(^^♪
せんせい
「全てのラインが繋がっている」・・・なるほど、そこが美しさのポイントなのですね。
F1マシンの見方っていまいちよくわからない(ぶっちゃけ、全部同じに見えます!!)ので、
こうして美のポイントを教えて頂けると助けになります♪