あえて今、夜行バスに乗る

そうだ、奈良、行こう。
それも夜行バスで。

突如思いついた。奈良に呼ばれているような気がした。20数年前に少し訪れただけでほとんど記憶のない場所。

夜行バスも初めてだ。海外では若い頃にマレー半島縦断で利用したが国内ではない。
地元の駅で「秋田」とか「大阪」などの行き先表示のバスを見ては、いつか乗ってみたいと思っていたが、ついに時は来た。

早速調べてみると、地元から奈良へ行くバスは運行しておらず、横浜つまりYCATまで行かなくてはならない。YCATもNEXを使うようになってからはご無沙汰である。そう、大人になると時間をお金で買うからだ。

新しいことをするのは、いくつになってもワクワクする。

 

―出発まで

ネットで往復のチケットを買い(横浜ー奈良で片道7800円)、夜行バスグッズは何が必要かを調べてみる。アイマスク、エアピロー、加圧靴下、ブランケット、マスク・・・まあ色々出てくるわ。基本的に飛行機と同じであろうから、とりあえず水分とマスクは必須だろう。

出発は23時50分。この夜は横浜で知人と夕食を食べる予定だったので、知人と別れてから出発までの時間潰し先が悩みの種だった。Googleさんに聞いてみるとYCATの真上に「スカイスパ」なる場所があるらしい。簡易宿泊施設であり、時間制でお風呂やリラクゼーションルームが利用出来るという。この機会に行ってみることにした。

20時半頃にスカイスパにチェックイン。
学生料金で5時間以内1750円。お風呂、洗面所、リラクゼーションルーム、食堂などが使える。お風呂は家で入ってきたので、館内着に着替えて洗面所で歯を磨き、リラクゼーションルームへ。ここは横浜の夜景が中途半端に見え、なかなか落ち着ける。リクライニングチェアにふんぞり返ってテレビは見ず、置いてあった普段は読まない女性誌を2、3冊読んだ。土曜の夜なのでガラガラではないが、混んでもいない。

ここは、横浜駅近辺で終電逃したとか早朝出発するとか、そういう時には使える施設だということはわかった。ただ、私はあまり利用機会がないだろう。

23時過ぎにスカイスパを出て、真下にあるYCATへ向かう。想像以上にごった返していた。やはり若者が多いせいか活気がある。ディズニー帰りらしき人、服装から察するにライブ帰りの人、あるいは純粋に旅人やスーツの人もいる。この時間帯は空港行きのリムジンはほぼ終了しているため、国内各地への夜行バスの乗客しかいない。1人おっちゃんが「金払ったんやで!?なんで乗れないねん!!」大声でスタッフに食いついていたが、まあ、ターミナルではよくある光景だ。

ここも20年以上ぶりに来た。駅から距離があるのが難点

今回ホテルは無しなので、当然荷物は必要最小限。そして目的の寺々にコインロッカーが完備されているとは考えにくい。つまり、荷物は常に持ちながらの活動となる。
大きめのコットンのトートバッグにすべて入れる(このバッグが車内でかなり役に立ったことは後述する)。どーせ大きなマスクして寝るのでメイクもほぼしていない。ただ、到着後にどこかの洗面所でお手入れする必要があるので、いつもの化粧セットにスキンケアセットも加わった。本は重いので一切なし。だいたい飛行機と違ってバスの中で本を読むと酔うからダメだ。あとは財布、ティッシュとタオル、充電器、イヤホン、手袋などを詰め込んで荷物は完成。締め付ける服は良くなさそうなのでロングスカートを着用。当然、帰宅の時まで着替えることは想定していない。

 

―いざ乗車

私が乗る「やまと号」は少し遅れてやって来た。同じ時間に出発する名古屋だとか大阪行きのバスがどんどん来る中で少し不安になったが、遅延のアナウンスがあって漸くホッとする。

奈良交通HPより。京成バスとの共同便だそう

 

乗車前に運転手さんに予約確認メールと氏名を告げ、降車場所を確認。私の降りるところは「法隆寺バスセンター」である。席は6A。

乗車してみると、やはり狭い!!3列独立シートゆえ、まず通路が狭い。横歩きで移動だ。しかもすでに乗っている人々はカーテンを閉めてリクライニングを倒して寝ておられるため、そーっと歩く。私の席の前の人もフルリクライニングで熟睡しているようだったので、そーっと席についてブーツを脱ぐ。

シートの操作説明などは前のシートの背に書いてあるようで、まったく見えない。しかも暗いので手探りで色々なボタンを押してみる。リクライニングの深い快適シートのため、足元が超狭い!!とりあえず体勢を整えるのが先なので、荷物を前のシートの下に無理やり押し込み、まだ起きていた後ろの男の子にシートを倒すことを伝え、マフラーを首の後ろに当て、バス備え付けのブランケットをかけ、スマホとイヤホンとアイマスク、お茶を準備。吹っ飛んだら嫌だからシートベルトも忘れない。

厚めのマフラーがエアピローの代わりになってくれた。100円のピローを一応買っておいたが結局出番はなかった。

消灯前の雰囲気

私はどんな時でも車窓から外を眺めていたい人なのだが、夜行バスではカーテンが閉め切られているためそれも出来ず。たまに隙間から「どのへんなのかなー」を覗く程度だが、はっきり言ってまるでわからない。Googleマップで現在位置を確認するしか手立てがなく、旅愁もクソもないことが漸くわかってきた。なお、車内にトイレがあるため、トイレ休憩は一切無し。運転士さんの交代でPAなどに入るも乗客は降車を一切許されないのが昨今らしい。まぁ、そうだよね。ツアーバスじゃないし、セキュリティ上の理由もあろう。

(結局、どんなルートで走っていたのかよくわからないままだった。本厚木から東名に乗って名古屋までは確実だと思うのだが、帰路で目が覚めた時にGPSを確認すると四日市と出てきた。四日市?伊勢神宮と鈴鹿行く時に通ったあそこか。てことは、京都は通らず下のほうから行くのだろう)

BGMはクラシックな歌曲を中心に最初の数時間聴いていたが、高速を走行するバスのエンジン音が意外と心地いいことに気づき、途中からはイヤホンをオフにした。ギアチェンジのリズム感が私に妙な安心感を与える。奈良なら次回はゼンで行ってもいいかな。

バッテリーが消耗してきた。手探りで左下をまさぐるとコンセントらしきものを発見したので、充電器を接続する。ポータブルも持って来てはいたが、充電出来る場所では充電しておかないと。

フットレスト完備のシートであったが、最後までスイッチの場所がわからず使うことが出来なかった。しかし、前のシートの下に押し込んだ自分のトートバッグが素晴らしいフットレストになってくれたので結果的には良かった。車内の室温は概ね丁度良く、快適だった。乾燥対策をしていれば問題ない。

 

―意外とイケた

天理駅に到着した旨のアナウンスで覚醒。
天理駅から法隆寺までどれくらいなのか見当もつかなかったが、時間を確認するとあと40分くらいはありそうだ。ゆっくりと支度をする。その後、バスは郡山、ダブル奈良駅へ止まったあと、ようやく法隆寺へ。しかも降りたのは私一人。映画みたいで嬉しい。バスセンターとは名ばかりのタクシー待合所みたいな場所で、洗車するドライバーさんを横目にとりあえず朝の一服をし、さっそく法隆寺へ向かった。

ちなみに帰りの便はもっとスムーズに色々なことが出来たので、さらに快適に過ごせた。唯一のミスは乗車場所をJR奈良駅にしたことだ。近鉄奈良駅のほうが栄えており店もたくさん集中しているので、何かと便利そうだった。関東の感覚だとJRの駅のほうが栄えていると思ってしまうのだ・・・

一度体験してみれば色々なことがわかるようになる。狭さは仕方ないし慣れるしかないが、深いリクライニングのおかげで乗り物では通常寝られない私でもウトウトするくらいは可能だった。

私の年齢でも夜行バス往復はまったく大丈夫!!(しかし、帰着日が休みであるというのは重要かもしれない。そのまま会社へ、は無理だ

今度はバスタ新宿から発ってみたい。

 

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あえて今、夜行バスに乗る” への4件のフィードバック

  1. DRIVER "A" のコメント:

    さすが。当初Fufupedia先生は国交省にお勤めかと思ってました・・・イメージ的には京都から下ると思っていたのですが、全然違ったようです。
    少し前までは藤沢発大阪行きのバスが奈良に寄っていたみたいなんですけど、今はありません。
    「はかた号」って・・・。ふつーに新幹線で行きますよ笑。でもルノー界隈の移動距離感を試してみるのも一興かもですね!

  2. DRIVER "A" のコメント:

    はい、意外に快適でしたよ!最初はプロとは言え赤の他人の運転に命を預けるのは不安でしたけどね。
    電車やマイカーとはまた違う楽しさを満喫してきました。
    新宿は思い出の地ですね(笑)。バスタに行くとほぼ全国どこへでも行ける、って思うと浪漫を感じます。

  3. Fugupedia のコメント:

    ルートはおそらく、東名または新東名から豊田JCTで伊勢湾岸道、四日市JCTで東名阪道、亀山から名阪国道だと思います。

    次回は新宿バスタから「はかた号」乗車で!

  4. ひろあっと のコメント:

    夜行バスって旅してる感が強くて良いですね。私は利用したことがないので言葉からの想像だけですが。シートが独立なら意外に快適そうです。普段利用しない交通機関を利用するのは楽しいものですよね。

    新宿からはバスタ新宿からバスに乗って遠くへ行けるしロマンスカーもあるしワクワクする場所だなぁ、と思いつつ駅周辺を散策した元日でした。

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