手か足か、それが問題だ

That is the question.

ルーテシアがやって来てから早5年弱たつが、「深刻ではないけど未解決なちょっとしたこと」がいくつかあり、そのうちのひとつが「手か足か」問題だ。

その日の体調や履いている靴によってシートポジションを微調整するのは日課になっているが、どこにいてもシフトノブが遥か彼方になる。単純にシートを前に出せばいいというわけではない。なぜなら、そうなると足が窮屈になるからだ。フランス人ベースで設計されているなら、日本人である私の腕が短いのだろう。

どちらを優先させるかと考えた時に、私は足派。
理由として、まず股関節に爆弾を抱えている私は、出来るだけ股関節が詰まらないポジションを取る必要がある。出来るだけ角度を緩くすることが大事。これが最優先事項になる。
そして、膝がステアリング奥にぶつかるのが不快なので、シート高は底。さらに、右足をクラッチ、ブレーキ、アクセルと絶え間なく動かすのに出来るだけ無駄な動作は挟みたくない。要するに上下ではなく並行方向に動かしたい。

これらが可能なポジションにシートを持ってくると、シフトノブが遠くなり、特に1速に入れる時はやや上体を起こさなければ操作出来ないのだ。それでも遠い。3速の位置に1速があればまだマシなのだが。

私個人の好みとして、基本的に座る位置は地面に近ければ近いほど、深ければ深いほど好きなので、視界が高くなることは出来れば避けたい。

私のルーテシアをこれまで運転した人々(その全員が男性であり、その全員が私よりも背は高い)を観察していると、驚くことに彼らは難なくサクサクとシフト操作をしていた。単純に彼らは腕が長いのであろう・・・

さらに、最近左の肩~肘が慢性的な筋肉痛のようになっている。あーヤダヤダ、年を取るって。これはジムでのトレーニングで負荷をかけ過ぎているのが原因だと思ってはいるが、右は何でもない。1年前は15キロくらいが限度だった負荷も今では30キロに上げることが出来るようになった。確実に筋力はUPしていると信じているが、加齢劣化にはやはり敵わないのだろうか。1速に腕を伸ばすたびにピリっと痛い。

ではMT車をやめたらどうだろう?
あり得ない。今はまだあり得ない。自力で手足を動かせるうちはクラッチペダルに別れを告げるつもりはない。

1速が遥か彼方でも、それを補って余りあるプレジャーがこのクルマにはあるのだ。恐らくこれからも「遠い・・・」と思いながら1速に入れて生きていくのだろう。すべてを劇的に解決するには左ハンドルMT車しかないのかも。