マインドフルネス・ドライビング

普段、洗車する時は会社の敷地内で洗っている。長いホースはあるしお湯も出るし色々と便利なのだ。「終業後に洗車します」と言うと、「明日は雨だよ」とか言われることもあるのだが、正直もう天気など関係ない。

私の数少ないクルマ関係で自慢出来ることのひとつに、納車以来ただの一度も、スタンドの洗車マシンに入れたことがない、というのがある。この6年間、自分の手だけで(時々ルーテシア仲間の手もあり)洗ってきた。

ここは海にも近ければ、松が植えられた防砂林も目の前だ。よって強風の翌日は花粉と塩で私のルーテシアはべっとりとした水玉模様になっている。翌日また雨が降ろうがそんなことはどうだっていい。この「最悪に汚い状態で乗る」、ということ自体に我慢がならないから洗う。正直、美意識の問題だ。翌日また汚れたら、また洗えばいい。

(洗車と言えば、洗車している人はほぼほぼ男性なのだけど、あれはどうして?うちの向かいの御宅も、奥さんの軽自動車もダンナさんが洗っている)

前回、肉体を酷使するとネガティブを発散出来るということ書いたけれど、あれも一種のマインドフルネスではないかと思う。私がたまに参考にしている瞑想動画によれば、瞑想とは「思考を止める」のではなく「思考を流す。ただ気づくだけ」という方法だと言う。それって、クルマを運転している時がまさにそうだ。

「先の信号が黄色になったなあ」「左後方から遅い原付が走ってくるなあ」「あの歩行者、道路を横断してきそうだなあ」「あの黒い〇リウス、ウインカー無しで車線変更してきそうだなあ」などなど、色々「気づいて流す」ことを普段からやっている。そうやっている間は、特に何も考えていない。考え事はしていない。むしろ運転しながら考え事をしていたほうが危険だ。少なくとも私のレベルでは。ルーテシアが納車されて6年、やっと少し「呼吸をするようにギア操作が出来る」ようになってきた感じなのだから、考え事をするような余裕はない。

だから、ベッドに横たわったり椅子に座ったりして瞑想するよりも、クルマの運転をしていたほうが私にとってはマインドフルネス効果がぐっと高い。ということに最近気づいた。ただ、アイデアが思いつくほどではない。やはり電車やバスと違って、自分が運転するだけにどこかで緊張感はいつも持っているから。

ルーテシアは洗車するにはちょうどいいサイズ感なのだけど、大きいクルマは単純に作業量が違うから大変そうだと思う。でも、いいエクササイズにもなるし、洗車する時間は人生に必要なのだ。