以前から接続が怪しかったZのUSBポートが先日ついに崩壊したので、雨の中ディーラーへ行く。朝から嬉しくないことが色々起こり、ひどく落ち込んでいた。天気のせいもある。今日は屋根を開けられない。

Zを購入した店舗はやや遠いので、今後のメンテナンス等は地元で面倒をみてもらうことになっていた。ということで地元のディーラーへ。

ん?

なんか見慣れた景色だな・・・

そう、Zも引き続きルノーもとい日産プリンスでお世話になることに。6年以上通っているお店なので安心感と居心地の良さは段違いだ。もちろん担当者さんもルーテシアの時と変わらず。
待っている間、次々と懐かしいルノーのクルマたちが入って来たり出て行ったりする。感覚的にはまだ私もルノーに乗っている気分だ。つい1ヶ月前にはルーテシア最後の点検をここでやったばかりだし。

新しいルーテシアが背後にいた。こんにちは。

なんかすっかり逞しくなっちゃったね・・・

ZのUSBポートは応急処置をして頂き、本格的な修理は来週に。Z初のお泊まりになりそうだ。11年前のクルマなので、そもそもスマホを接続する前提で設計されていない。私としてはちゃんと繋がって使えればいいので、どうにでもしてください、とお願いしてきた。

年に何回か運が悪い日というものがあるとしたら、今日はその中の1日だと思う。

天気も酷かったが(オープンに乗るようになってから天気予報を気にするようになった)私が昨年から応援している推しピアニスト角野隼斗がショパンコンクールのファイナル進出ならず、のニュースで1日が始まった。いや、このコンクールのセミファイナルまで進んだこと自体すごいことなんだけれど、ファンというのは欲深なのだ。ああ、ダメだったか、という残念な思いで朝を迎えた。

そんな鬱々とした気持ちのまま雨の中、自宅車庫からZを出そうとして、「うーんこの角度だと前がヤバイかも」と思い、切り替えすためにバックをしたら、ゴリっと嫌な音がした。ヤバかったのは前じゃなくて後ろだったのだ。これがあるから玄関前の階段脇にポールを2本も置いてあったのに、今回は階段ではなくコンクリの花壇だ。「もうバカバカバーーーカ!!」と自分を殴りたい気持ちにかられたが、濡れるのも構わず降りて確認する。左リア、縦方向に擦り傷現る・・・・ルーテシアの時もやっただろうが。しかも一度じゃないよな。なぜお前は学ばない?Zにはバックモニターあるだろうが。見てたのかよ??と自分を激しく問い詰めるも、とにかくディーラーへ行かなければならないのでショック状態で家を後にした。言い訳がましいが、これまで駐車してきた駐車場で一番難しいのが自宅の車庫なのだ。

道中も気分が冴えないせいか、普段ならやらないようなことをしでかしながらやっとの思いでディーラーへINするも、案の定「あの傷はどうされたんですか?」と聞かれる始末。「ええ、さっきやっちゃいましてね・・・」と答えてまた落ち込む。そうだ、今回はまだ御祓をしていなかった。今夜こそやらねば!!と決心し、帰路でワンカップ大関と塩を購入した。

ルーテシアの時もやった儀式だ

タイヤを替えたらやろうやろうと思っていたが先延ばしになっていた御祓。方法は簡単で、お酒と塩をタイヤ周りに撒き、最後に手を合わせ「私のZ、これからは一緒に仲良く安全に」と言葉にするだけ。でも不思議なことに、これだけでも気持ちが落ち着く。あとはスピリチュアルな親友がどこかの神社でお守りステッカーを買ってきてくれれば、それをアクセルペダル脇の内装に貼って完成する。

納車後2週間(しかもコーティングしたばかり)で擦り傷を付けてしまったことで、これで漸く私のクルマになった、という満足感すら感じる私はやっぱり変態なのだと思う。これまではとっても緊張して、オドオドしながら乗っていたという面もなくはなかったのだ。しかし、ついに傷をつけてしまったことで「傷をつけたのは私の責任、だから私がずっとこの子の面倒をみていく!!」みたいな覚悟が生まれたというか、「責任取って結婚します」みたいなノリで我ながら相当に歪んでいる。時間がたつにつれ、この傷が愛しくなっていくということをすでに私はルーテシアで知っているからかもしれない。って、単なる開き直り?

とは言え、明日以降なるべく早くコンパウンド作戦を遂行したい。

言い訳その2として、私は確かに疲れていた。
なぜなら前日は半年ぶりにデッサンをしたのだ。4月に1回出ただけで病気の治療のため頓挫していたアートスクールに復帰した。数時間鉛筆を走らせてコツコツ描いたので肩こりも酷いが、「久々に描けて嬉しい!」という気持ちと同時に、集中力を使ったのでどっと疲労した。一晩寝たくらいでは疲れは消えてくれない年齢だし、まだ体力が完全に戻っていないせいもあるのだろう。最近、周囲の人々は私が病み上がりなことを忘れているようだ。病み上がりどころか3ヶ月前まで大病の治療をしていたことすら忘れている様子さえある。逆に言えばそれだけ私が元気だからだと思うけど。

やっぱりアトリエに来るとウキウキする

「具合悪かったら途中で帰ってもいいし、午前中だけ描いて帰るのでもいいし、自由なペースでやってくれて構わないよ」と先生がおっしゃってくれた。今度はちゃんとやり遂げたい。

クルマ、アート、音楽。
病気になって回復して、今、私の人生の充実度、幸福度に直結する3つの要素だ。いや、病気になる前から変わってないのだけど、絵を描くことはなかなか一歩を踏み出せなかった。でも、描いてみるとやっぱり楽しいし幸せだ。

病気の予防として免疫力を上げるということが良く言われる。免疫力を上げるためには好きなことをして毎日楽しく暮らし、無用なストレスを溜めないことだ。私はもともと仕事に生きるタイプではないので、病気前よりもさらに自分の好きなことに時間を使おうと決心した。これなら仮に将来また再発しても、「やり残した」という後悔をしなくて済むだろう。怯えて不安な気持ちで生きることほどバカなことはない。まだ何も決まっていない未来の不安に怯えることほど損なことはない。運みたいなものだ。だから、今、現在、好きなことをやって過ごす。その積み重ねが未来を作ると思うから。