前回申し上げた通り、昨年後半から2月初めまでずっと卒業制作に没頭していたため、あらゆることが一時停止となっていた。大学関連は3月に展示や卒業式などが控えており、2週連続で京都へ滞在しなければならず、今は小休止期間。

ということで今のうちにZのエンジンオイル交換と6か月点検を済ませようと、いつものルノーディーラーへ入庫。展示してあったルージュのルーテシアは300万円弱の価格。内装などもゼンと比較したらかなり高級感が増している(見た感じではね)。そしてやっぱり、ルージュフラムはため息が出るほど美しい色だと思う。クルマのボディカラーとしては恐らく私の人生最高の色に違いない。だからと言ってまたルーテシアを買うかと言えばきっと買わない。クルマに関して私の視野をグン!と広げてくれたのもまたルーテシアなのだ。

私は普段雑誌を読まない。なので、美容院で読むファッション誌などはとても新鮮で、熟読してしまう。同じくディーラーにおいても待ち時間に普段読まないクルマ雑誌を読み込むのが楽しみのひとつでもあるのだ。

今回も2冊ほど手にとって読んでみた。Tipoのスポーツカー特集と、ENGINEのアンダー550万円特集だ。

自分のクルマのこと以外には相当に疎い私なので、たまに読むこれらの雑誌記事は本当に楽しい。今はWEB媒体でも有益な記事が読める時代だけれど、圧倒的に紙面は読みやすい。それに、「気になってはいるけどスペックを詳細に知りたいまではいかない」程度の車種の情報などもわかるし、とにかく面白い。普段あまり考えないようなことも考えたり出来る。例えば、

「オープンは好きだけど、フロントガラスまで無いのはさすがに嫌だ!!」とか、

「へぇーGRヤリスって意外と手が届く価格なんだなー」とか、

「ゴルフR、スペック最強じゃん」とか、

「騒音規制の新しい法律が施行されると絶滅する車種が!」とか、

「クアトロポルテってデザイナーが日本人なのね」とか、

・・・・色々な雑念が行ったり来たりする。

クルマって私にとって何だろう。移動手段とか当たり前のことを言う以前にもっと惹かれる何かがある。そして、惹かれるクルマに共通する点のひとつは、速そう、ということだ。私はスピード狂ではないし、速いクルマをかっ飛ばしたいとかサーキットでガンガン競争したいという野望はほとんど無い。なのになぜ速そうなクルマに惹かれるのか考えてみると、速そうなクルマって多くの場合、美しい。造形的に美しい。だから、美しいクルマに惹かれるとそれは自然と速そうなクルマである、という結論に至った。あまりに奇抜なのは好きではない。

やっぱり絵とか彫刻とか芸術作品を眺めるのと同じ感覚で見てしまうからだろう。デザイン科の学生だったら、クルマのデザイン史を学んでいたと思う。そして、クルマは工業製品でもあるから、デザインだけでなく技術者の方々の作品とも言えるんじゃないだろうか。それを思うと、単なる日常の移動手段とは到底思えない。自分で動かせる芸術作品。私にとってクルマとはそういう感じのものだと思う。そして、私の時間に優しく寄り添ってくれるもの。

なんてことを思いながら雑誌を読み耽っていたら、作業が終わった。

ルージュフラムのルーテシアに、大事にしてくれるオーナーが見つかるといいね、と心の中で挨拶してディーラーをあとに。

(今でもルーテシア4のオフ会や皆で集まった時のルーテシアの様子の写真を見ると泣いてしまうのは内緒です)

「クルマとは何か」に2件のコメントがあります
  1. 卒業制作お疲れ様です。
    近況として、フランス車を卒業することになりました。ディーラーの対応にイライラした結果ですが。次の車は速めの車です。速い車は機能を突き詰めていくので美しくなるのかなと。

    1. リーパーさん
      ありがとうございます。机の上もすっかり片付きました。
      えーーー、フラ車卒業ですか!今度は何だろう・・・すごい楽しみです!
      皆さん色々変化が・・・時間は流れているのですね。
      紺のロードスターはもちろんまだご一緒ですよね?試乗させて頂きたいのでまだ手放さないでください!!

      私はゴルフRがとても気になっていますが、気になっているだけです笑
      美しいかと言われると美しいとは思わないのですが、基本的にハッチバックが好きなのだと思います。

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