車検のため、Zをディーラーへ預けてきた。新車のルーテシアの、ルージュフラムで目の保養をしたいと思っていたが、ショウルームには「最後の」と言われるメガーヌRS,そしてカングーが鎮座。このメガーヌは先日カッコいいチラシが送られて来た。こうしてまじまじと眺めると、やはりハッチバックっていいなぁと実感する。

以前は「メガーヌ大きい・・・」という印象だったけど、毎日Zを見ているせいかそれほど大きさを感じなくなった。お友達のメガーヌを試乗させてもらった時も、車体感覚に違和感は感じなかった。Zより軽いし、街なかで普通に乗る分にはとても快適だった。ただ、ルーテシアに乗っていた頃に試乗したメガーヌ3RSは、その大きさが恐ろしかった。ドアの大きさだけでもビビる。懐かしい思い出。

現在は主に原付二種で通勤しているため、入庫中にクルマは必要ないと思ったが、代車を出してくれるということだったのでNOTEに乗って帰ってきた。街なかで見かける日産車はノートとセレナが圧倒的に多い印象。お借りしている間も、後ろや前に同車種、という状況が何度かあったし。

今回のはe-power入ってるぞっと。興味津々で乗り込んだ。目線が中途半端に高い。シフトがマウスみたい。パーキングブレーキもクリップみたい。つまり不安だ・・・私に運転出来るのだろうか?

おそるおそるアクセルペダルを踏み込むとスルスルと滑り出した。まさに滑り出すって表現がピッタリだ。そして、ステアリングが嘘のように軽い。指1本でもクルクル回りそうな勢い。タイヤが地面を擦っている抵抗をまったく感じない。しばらく走行するとやや慣れてきた。どっからどこまでがe-powerなのかよくわからないが、ペダルから足を離すとエンブレみたいなのが発動する。3速から1速に落とした時みたいな感じでけっこうガツンと来る。このブレーキはいいね。まるで何者かに操られているようだ。そして、エンジンの音がほとんど聞こえないので、加速するも加速感がなく、スルスルっと滑って行く。荷重すら感じない。ははーん、世の中の皆さんはこんな楽して運転してるのかーー、と納得。

あちこちのカメラで色々映してくれるし、駐車場の枠内に収まってるかもわかるし、一般大衆車としては安心して運転出来るクルマなのだろう。

ちなみに私は普段からターミナル駅の表示を始め情報過多には弱いので、メインモニターはあまり見なかった。ただ、ちょっとアクセルを踏み込んで加速してみたら妙な音が鳴ったので、「何ぞや」と思ってモニターを見たくらいか。速度超過になると鳴る音だと理解した。

初めて運転するクルマなので、それはもう慎重に操作したけれど、このクルマの美点は「楽」ということに尽きる。あくまでも私個人の観点だが。移動手段として「楽」ということは大事なので、街中でたくさん走っている理由もわかる気がした。しかし楽だということは暇だということだ。これじゃ運転中にスマホなどに手が伸びるわな。そして、「楽」が「楽しい」わけでもない。同じ字だけども。

目的地に到着し運転を終了すると、走行データみたいなものが出た(興味ないのであまり見ていない)。

何という高揚感のないクルマだろう。でも、何らかの事情(体力がなくなった、など)が発生した時には、きっとこういったクルマが助けてくれるのだろう。

最大の難点は、地面を走っている、という実感がないことだ。少なくとも私自身の感覚では、あの感じは「走っている」ではない。スルスルっと浮いて滑っているような、そんな感じ。音もほとんど聞こえないので、自分の運転に猜疑心がわく。路面がガタガタの道を走って初めて安心した。

この圧倒的楽さと引き換えに失うものの多さを考える。ルーテシアもZも、乗り込んでエンジンを始動するたびにワクワクした。Zなどは「前に進むぞ」という確固たる意思を持ってアクセルペダルを踏み込まなければ進んでくれないほど重い(新しいZはこういったところも軽くなっているかもしれないが)。でも、ルーテシアによって「移動手段以上の喜び」をクルマに見出してしまった今は、このようなクルマを自ら選ぶことはないだろう。

雨がお似合いのボディカラー。晴れた日に見ると気が滅入りそう。

「人気車に乗ってみた」に8件のコメントがあります
  1. メガーヌRS、試乗させていただくと、これは本気のスポーツカーなんだなぁと思いました。加速も減速も楽しい。でも高揚感を感じられすぎて危ない気がしました笑

    ウチのルーテシア、先日ついに不動車になりました!修理のためにお借りした現行型日産マーチ、小さいのに車内はルーテシアより広く感じられる一方で、とてもチープ。でも小回り効くあたり気に入ってしまい、今の自分にはルーテシアよりこんなもっとチープな車が合ってるかも?なんて思ってしまいました。まぁ乗り換える理由はないのでまだまだルーテシアです!

    1. ひろさん
      こちらもまた少しずつ減ってきてしまったルーテシア、今や貴重な存在。
      不動車という言葉でどきっとしましたが、修理出来るのなら安心です。
      その時の自分のライフスタイルによって、何をもって「快適か」という定規は変わってくると思うので、
      まだまだ快適なクルマ<ルーテシアならば、それが今のひろさんにフィットしているんだと思います!

  2. Zの車検無事で良かったです。
    日本で売れてる車は楽チンなのが多いですよね。そういう車を求めてる人が多いのかと。日本人はラテンの人に比べて運転が苦手な人が多いそうなので。
    スポーツカーのカテゴリはその中でも数少ない人種向けなのでしょう。
    あえて、乗りづらい車に乗る美学でしょう。

    1. リーパーさん
      とりあえずホッとしています。まあこれからの時期に幌が開かないのはちょっと寂しいんですけども・・・
      多くの人は何にしても「楽なほう」を選びますよね。それは悪いことではなく、当たり前のことなんですけど(私も階段じゃなくてエスカレーター行くし笑)
      そこに「好き」が入ると違う選択肢になってきますよね。
      Zは操作も重いですけど(切り返しなんて重労働に等しい)、NOTEを運転する自分よりZを運転する自分のほうが好きです♪

  3. すみません、リーフ買っちゃいました。激安中古で、つい手を出してしまいました。このノートと同じような、たぶん、それ以上に、楽な車です。ルーテシアなきあと、家人がアクアを占有し、ワタシは軽トラとロードスターを足にしていました。両車とも面白いのですが、腰が痛い、エアコンが壊れている(ロードスター)、面倒くさい、つまり、車から降りる時が来たと思ったのです。
    リーフは車というより、電車です。楽で楽しいです。加速もコーナリングもロードスターに勝ります。十年も前の車なのによく出来ています。70キロくらいしか走れませんが、十分です。デザインと乗り心地はフランス車っぽいような気もして・・・

    1. とさまさん
      いいじゃないですか!その時々のライフスタイルにフィットしているクルマが一番だと思います。
      「ここは譲れない」と感じていたことが、年を重ねていったりライフイベントがあったりすると変化しますものね。
      でもやっぱり楽なんですねぇ・・・私も近い将来「楽」ということもクルマを選ぶ基準のひとつになるかもです。
      (実はZもああ見えてドラポジは楽なんですよ!関節の角度が緩やかになるので)
      リーフ、ガンガン楽しんでください!!

      1. ありがとうございます。
        付け加えると、シートが倒れて寝られるクルマが欲しかったのです。

        1. とさまさん
          車中泊仕様!?確かにロードスターやルーテシアでは厳しいですね・・・

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