冬ごもり準備 作業篇

街は忘年会たけなわ。
なぜ人は酔っぱらうと声が大きくなるのだろう。普段通っている静かな店にも団体客が入り、賑わっているが少々迷惑だ。知らないおっさんのどうでもいい話など耳にしたくないし、そもそも夜まで職場の人と一緒に過ごすという感覚がわからない。だから、そういった状況を避けるために夜は自室にこもることが多くなってきた。

冬休みの間に少しでも課題などを進めるため、放置していた部屋を整えた。
寝室兼書斎兼アトリエのような部屋だが、無駄にネーミングを考えている。〇〇庵とか〇〇堂、のようなのがいい。

作業台は、とにかく「思いついた時にすぐ出来る」臨戦態勢が何より大事。さすがに日本画の画材はそれが不可能なので、即戦力を持つ画材(鉛筆、色鉛筆、ボールペン、筆ペン、水彩パレット、墨)を手の届くところに配置。これでだいぶ違う(はず)。しかし散らかるのも時間の問題だろう。

壁にはモチベーションを上げるために巨匠の人物デッサンをペタペタ貼り、布団には電気毛布を入れて映画や海外ドラマ鑑賞仕様に。これですべての活動を自室の中で完結出来る。ちなみに自室では飲み食い喫煙はしない。ルーテシアと同じ。
ピアノだけは自室にないので1階に降りていかねばならない。将来は小さな平屋の小屋でピアノ弾いて絵が描けて音楽を聴けて映画が見られてクルマを運転出来ればそれが幸せ。

不器用なのでひとつのことにしか集中出来ない。マルチタスクは無理なので「描く」と「書く」を同時進行でこなせない。この冬は主に「書く」がメインで、「描く」ほうはスケッチ程度の軽いもの、作品よりも落書きに近くなりそうだが、何も描かないよりはマシだと思っている。

本も読まねばならない。とりあえず小泉八雲が枕元にスタンバイしている。絵本では読んだことのあるお話でも、文学として一度しっかり読み込もうという魂胆だ。

というような、読み手にとっては何の役にも立たないことをわざわざこうして書いているのは、自分に発破をかけるためである。「やれ!」と自分に命令しなければならない。少し前に「5秒ルール」というのがあったが、あれに近い。考える時間があると、この時期は特に「やらない理由」を考えてしまうから。

話は逸れるが、お誘いをお断りするのに「忙しい」「時間がない」は確かに便利かもしれないが、私はなるべく具体的に理由をお話するようにしている。
「あまり関心が向かないので」とか「ずっと忙しかったので今週はゆっくりしたいので」とか「そのお店は好きではないので」とか「◯◯さんに二度と会いたくないので」とか笑。なぜなら自分自身が一番「時間は捻り出すもの」とわかっているから。好きなことならそれをやるために時間を捻り出す。それをしないのは興味がないからだ。

自分の城が何より大好きな私は、こもるのを楽しみにもしている。その結果何を生み出せたのか、が問題だけれど。