殺風景でも幸せな理由

車内の置物

最近はハッチバックのクルマが増えたので見かけることも少なくなりましたが、以前はよく遭遇していました。何に?

リアガラス越しにこちらを凝視してくる、ずらりと並んだぬいぐるみたちです。

何の為にあの場所にコレクションしているのでしょうか。後続車があれを見て癒されるとでも?わかりません。お子さんなら見て喜ぶのかもしれませんけど、私は車内に舞う埃を想像してしまい、くしゃみが出そうになります。

トランクルーム以外の車内に何を置くか、はドライバーのライフスタイルが見え隠れするポイントだと思います。そのクルマの用途や日常的に同乗する人たちによっても大きく左右されますね。レースを走るクルマはシートがなかったりもしますし、逆に行楽列車みたいなクルマもあります。ひと昔前の日本の住宅を想像してしまうレースのシートカバーも、ご年配が乗られているセダンに時々見られる程度。その代わり、ダッシュボードにふわふわしたものが敷き詰められているクルマや、ルームミラーから何かがユラユラしているクルマは多いように思います。

センス問われます

装飾欲、というのは否定出来ません。女ならなおさら。私にももちろんあります。クルマ用品店に行けば何だかキラッキラしたものや、もふもふしたものがたくさん売られていますし、女性をターゲットにしたクルマ用品サイトを見れば明るい色のファブリックでスウィートなアイテムがわんさかあります。可愛いクルマは中身もこうして可愛くなっていくのだなあ、とつくづく感じます。安全性を妨げることがない限り、自分のクルマですから好きにコーディネートして、楽しく運転出来るのは素敵なことです。

ただし違う色味の柄×柄は、よほど色彩センスがなければガチャガチャうるさいだけになり、車内のように狭い空間では余計に狭く感じます。品良くまとめたいのであれば、柄物は目立つ場所1点にするとだいぶスッキリするのではないでしょうか。例えばハンドルカバーだけ、とか。シートカバーはそれだけで面積が大きくなるので、よく考えて配置したほうがいいと思います。そしてダッシュボードに何か置く時はフロントガラスへの写り込みが視界の妨げになる場合があるので、要注意です。北欧のマリメッコのようなパターンは、リアシートにクッションとして置いておくと品のいいアクセントになって素敵かな、と思います。今ではユザワヤにも生地が売っていますね。私が普段バッグで愛用しているヴェラ・ブラッドリーも1点使用なら素敵です。どんなスタイルであれ、同一テイストでまとめないと散らかった印象を乗る人に与えてしまうので、あれもこれもと欲張り過ぎると逆に下品になってしまいます。あえてヴィンテージ屋さん風の車内にしたければ別ですが、ハードルは高いですね。

marimekko ウェブサイトより

 

私も大好き Vera Bradley

 

楽しいクルマなら殺風景でも楽しい

翻って私の愛車を見ると・・・殺風景過ぎます。もともと内装には少しもお金をかけていない感のあるクルマではありますが、色気の「い」の字もありません。上位グレードのRSは赤いラインが入っていたりとワンポイントで主張があるのですが、私のはそれもなく、ただひたすら地味で殺風景です。あまりに地味なので、私も何かファブリック欲しい!と考えていた時期に見つけた和柄の手拭。ほとんど使用されることのないリアシートの中心に掛けてあります。そして、助手席、運転席の足元にいくつかステッカーが貼ってあります。ある日私は気づきました。装飾したいと思っているのに、なぜ私は目につかない場所ばかりを選んでいるのだろうか、と。

結局、殺風景がいいんです。正確に言えば、気にならない。どうしてか? だって走ってるだけでじゅうぶんに楽しいクルマだから。車内に私の気を逸らすようなモノは一切必要ないんです。例えば夜間。ナビや計器類から漏れる灯り、足元の小さなLED、それだけでもうじゅうぶんに装飾です。キラキラもふわふわも必要ありません。数字が光っているだけで心躍るんですから。

以前試乗したアバルト124スパイダーは車検証を入れておくスペースすらありません。ジップロックに入れてそのへんの隙間に押し込むか、トランクに入れておくしかないそうです。ドリンクホルダーも着脱式になってました。この「必要最低限」という装備に私は惚れたのですが、それが嫌な人はこういうクルマを最初から選びはしないのだろうと思います。余計なモノは何も要らない。ミニマリストってわけじゃないけれど、車内をリビングルームとして考えていないので、殺風景くらいが私にはちょうどいいようです。

 

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