クルマで巡る美術館第2回は、横浜美術館(神奈川県横浜市)です。
行きやすさは抜群
正直、私はみなとみらいが嫌いです。なので近づきたくないのは山々なんですが、現在横浜美術館で開催されている「ファッションとアート」という展示に興味があり、嫌々出かけてきました。
首都高「みなとみらい」ランプからすぐ、区画整理されたエリアなのでどこへ行くにもわりと迷わずに行けることが唯一のメリットかも。横浜美術館には駐車場があります。週末でしたがガラガラだったので、意外と穴場なのかもしれませんね。万が一満車だったとしても近隣に数多くの駐車場がありますから、クルマで安心して行きやすい場所とも言えます。
駐車場が1階、美術館入口が2階です。広々とした前庭を少し歩くと、左側に正面玄関があります。美術館の規模を考えると、小さいエントランスです。
とにかく広すぎる
この美術館は何度も来ているのですが・・・個人的にどうしても好きになれません。
空間が無駄に大きすぎて、落ち着かないんです。エントランスホールはパリのオルセー美術館に似ていますが、似ているだけです。だからと言ってワクワクするとか、そういう作用は一切ありません。とにかく広い。広すぎてスカスカという印象をいつも持ちます。さらにダイレクションがあまり良くないですね。必要以上に疲れてしまいます。
常設展のほうが面白い
今回鑑賞した「ファッションとアート 麗しき東西交流展」。港町横浜ならではの企画だと思います。
明治の文明開化によって日本の生地が海外でドレスになっていたり、または海外のモチーフが日本に入ってきて着物や帯に活かされていたり、ということを実際のドレスや生地を展示して見せてくれています。職人さんのお仕事は素晴らしいと思うのですが、どうしても感動がそこに無い。心から美しいとは思えないのが残念でした。あくまでも主観です。浮世絵も月岡芳年など少しありましたが、あまり印象に残らず。江戸までの日本文化を学びたいがために大学にわざわざ入った私としては、時代がここまで進んでしまうとどうしても興味を持てなくなる傾向があるようで。
ただ、絵画に関しては意外と絹本に描かれたものが多く、とても参考になりました。鏑木清方の描いた女学生などは、「リアルはいからさんが通る」みたいでキュートでしたし。
服飾に興味のある方なら楽しめるかもしれません。ただしアッと言う間に終わってしまいます。空間が広いのでゆったり観られるのは良いのですが、そのぶん展示がとても寂しいように感じました。それから、各部屋にいらっしゃる係員の方の存在が少し目立ち過ぎ。ドレスなどを展示してあるため、触れたりされるのを防止する目的があるんだと思いますが、ウロウロし過ぎですし、入口の真正面に立っていられたりすると鑑賞する側としてはあまりいい気分ではありません。
そんなこともあって、近隣のショッピングエリアでお買い物のついでに鑑賞、くらいの感覚がちょうどいいのではないかと思います。むしろ常設展のほうが様々な作品を観られて面白いかもしれませんね。私は松井冬子さんの作品を初めて間近で見られて嬉しかったです。想像通り、凄みがありました。
ミュージアムショップはそこそこ充実。特にポストカードは非常に見やすくディスプレイされており、眺めているだけでも楽しいです。お隣のカフェはサンドウィッチなどの軽食メニューがあり、のぞいてみると年配のご婦人方の社交場と化しているようでした。
クルマで行きやすい、という点に関しては申し分ありませんが、企画によって当たり外れのある美術館。なお、駐車料金の割引サービスはありませんので、お買い物することが決まっている場合は近隣の割引サービスのある駐車場に入れたほうがお得になる場合も。
お茶やお食事する場所には事欠かないので、それだけは便利かも。施設としては室内楽なら出来る小さなホールや情報センターもありますから決して空っぽではないのですが、観せるという点からは大規模プロジェクトに向いている施設だと改めて感じました。