クルマで巡らない美術館第7回は「ビリケンギャラリー」(東京都港区)です。
BLUENOTE東京の近くですが、私はしばらく迷いました・・・。周囲に比べて明るく、赤いネオンサインが輝いているのが目に入り、やっとわかった次第。ショウウインドウに並べられたレトロなおもちゃの数々に目を奪われてしまいます。ギャラリーは奥のスペース。今日は森口裕二さんの個展「名もなき花のララバイ」を観に来ました。
私は昔から挑発的な女が好きです。
映画でも絵画でも写真でも物語でも。何かに、誰かに、挑む女。それは勇ましいだけでなく、やはりどこかにエロスを感じる。これは私が絵画を好きになったルーツにも関係してきます。
森口さんの作品はネットでお見かけしてから、いつか生でその作品を観てみたいとずっと思っていた作家さんです。今回、学校の帰りに寄って鑑賞することが出来ました。しかも!森口さんご本人が在廊されており、作品集にサインを頂きました。その上、作品の撮影も快諾してくださいました。
森口さんのこれまでの作品のポートフォリオもあり、断片的にしか観たことがなかった作品たちをしっかり目に焼き付けて。今回の展示はスケバンたちが中心で、彼女らの挑む眼差しに取り囲まれた空間は何だかそわそわと落ち着かない気持ちに。それが実に気持ち良くて。彩色作品もありました。ピンクの色味がエロいんです。
私の絵画好きのルーツは、西洋画ならサロメやユーディット、日本画なら江戸の遊女の浮世絵にあります。美人画は大好きですが、そこに攻撃性や毒や痴情あるいは官能を感じないと「ただのきれいな美人画」になり、関心を失います(ってことに最近気づいた)。アメリカ映画に出て来るようなマッチョな女じゃないんです、ちょっとした陰鬱さを感じないとダメなのかもしれません。どうしてなんでしょうか、自分でもよくわかりません。ただ、昔から憧れる女性のタイプと言えば強くて色っぽい女ばかりでした。そういう女たちが男たちを籠絡する話が大好きだったので。例え自ら滅びようとも。森口さんの作品はそんな私がすっと入っていける世界観。今回はセーラー服を纏った少女たちが主人公でしたが、やはり和服を纏った挑発する女の作品も目の前で生で観たい!と思いました。
古今東西、挑発する女は美しいんです。
小さなギャラリーですが居心地は良く、今後のエキシビションも注目していきたいと思います。