クルマで巡らない美術館第13回は、NHKホール(東京都渋谷区)です。
美術館ではありませんが、このカテゴリーではこれまで劇場やホールも紹介して来たので、その流れでいきます。
キャッチ画像はすみません、NYで訪れたメトロポリタン歌劇場でのスナップです。だって・・・写真撮る気がしないんですもん、NHKホール。
渋谷の雑踏をヘロヘロになりながら歩いた末に辿り着くのは、何を隠そう、都内の主なコンサートホールの中で、私が最もテンションが上がらないホール。
でもこの日は大好きなオール・ラヴェル・プログラム!そして特に大好きな「古風なメヌエット」を演るということで行ってきました。
モーリス・ラヴェルのピアノ作品の中で私が最も愛する小さな作品、それが「古風なメヌエット」です。
生で聴くのは初めてだったので、場所のことは置いておき、それなりに期待して行きました。ピアニストもフランス人らしいし、これは良さそう!!
通常、ピアノの演奏がある場合は、私は2階席の左側を好みます。なぜなら、ピアニストの手元が見えるから。
この日は友人がチケットを取っていたのでわがままが効かず、1階席となりましたが、まあ悪くはない位置です。どこ座っても所詮NHKホールですし。
あれ?開演5分前なのにどうしてピアノが中央にないわけ???
ここで気づきました。今日はオケ版だったのだと・・・もう帰りたい。いや、ラヴェルは大好きな作曲家ではあるけど、彼の作品でピアノ版とオケ版両方あるものは、多くの場合私にはピアノ版が当たりなのです。オケ版がピアノ版より良いと思うのは「ラ・ヴァルス」くらいなもの。
私の大好きな大好きな「古風なメヌエット」をオケ版で聴きたくない!とイヤイヤしながら開演に。
どうしてこのホールが苦手かと言うと、まず何より気分の上がらない造り。内装も外装も全然ダメ。華やかさのカケラもなく。おまけに音響がね、「ミューザ川崎シンフォニーホール」とか「サントリーホール」と比べると全然物足りない。歌謡曲用なのかも。それから飲食コーナーやロビーは老人サロンのそれと化しているところも嫌。上の画像をご覧になってもおわかりになるかと思いますが・・・客席の空気が暗い。だから私はこのホールでは気分が上がらないのです。そう言えばもう師走。もうじきこのホールであの歌謡大会が開かれますね。
「古風なメヌエット」は予想通り最初に音を聴いただけで拒否反応が。ピアノ版の洒脱な感じはどこへ消えた。
それでも、「左手のためのピアノ協奏曲」で演奏したフランス人ピアニスト、ピエール・ロラン・エマールさんは素敵でした。右手の演奏も聴きたかったです。この日の指揮は同じくフランス人のデュトワ。フランスのすけべじじいといった風貌ですが、私がこれまでの人生で生で聴いて最も感銘を受けた演奏は彼の指揮、フィラデルフィア管弦楽団。やはりラヴェルの「ラ・ヴァルス」。アメリカのオケのデジタル的な音がものすごくて、「オケの色彩ってすげー!」と大感動したのを覚えています(会場はミューザ川崎)。
なので、あの感動を再び、とまでは言いませんが、何せ真面目で優秀なN響ですから洒脱さが無いのも納得・・・どこまでも日本人のオーケストラですよね、色々な意味で。そして、林檎のバックで数日前にテレビで弾いてるのを観たチェロの藤森さん発見♪ ヴィオラの山田さんは私の席からは見えませんでしたが、林檎のお仕事もするN響楽団員がいることだけは嬉しいです。
同じN響でもサントリーホールで聴いたほうがずっと豊かに聞こえます。だからどうしても聴きたいプログラムがある時を除いては、出来る限りこのホールには近づかないようにしているのですが・・・ちなみに誘ってくれた友人はオケ版の演奏であることを私に黙ってました笑。こんなだったら見なきゃいけない展覧会たくさんあるんだから、時間の無駄!と言いたいのをぐっとこらえて、大人しく音楽鑑賞してきました。
最後はボレロで〆。終演後に外へ出ると、木々という木々すべてに青いイルミネーション。みなさん「きれい!」と言ってカメラを向けていらっしゃる。
私は嫌いです。青いイルミネーションは安っぽくて寒々しいから大嫌いです。もちろん、きれいとも美しいとも感じません。やっぱりNHKホールと私は永遠に合わないのだと思い知りながら、トボトボと帰路についたのでした。
そう。音楽は大好きです♡
なまじっか、絶対音感があったりとかした所為で、他所様の演奏に対し、ヒネた見方やコメントをしたり、まー失礼な奴でしたww
因みに、”音学”をフケて”音楽”に目覚めてからは、暫くの年月をヒネたバンド少年として過ごしてました(爆)
実は今でも時折、演奏したくなるスイッチが入ることがありますが、思い通りに弾けない現実が白日に晒され、自在に弾けた記憶が汚されるのが嫌で、楽器から逃げてますw
おぉ、絶対音感なお方なんですね!それは多分、クルマの不調にもエンジンの音ですぐ気付いたりとかいう恩恵があるんではないでしょうか(ってそれはクルマ好きなら普通のことか)
他所様の演奏に対しては特殊能力がない私でも思いっきりヒネた感想言ったりするので大丈夫です笑。
私はピアノ後はブラスバンドでパーカッションやってましたが、あの頃が一番楽しかったですねぇ。ピアノを再開した数年前は、指も満足に動かせなくてザ・老化を実感したのでした。
でも多分楽器を弾くことも語学と同じなんではなかろうか、と思います。ブランクがあっても染み付いてれば思い出すもんですよ。最盛期ほどでなくても・・・
ですから楽器から逃げないでください笑!
ボクはClassic演奏聞きにNHKホール行ったことは無いのですが、でもまー、残念な施設の一つですね。演者との距離感は近いのですがw 逆にその近さがcheapで残念な。。
とは言え、最後に行ったのは10年以上も前のコトなので、雰囲気忘れかけてますが。。。
ボクは幼少の頃から15年ほど音楽を習ってた(習わされてた)割に、、Yヤマハのグレードとかも持ってたりする割に、、結局のところそれを全く人生に活かせないどころか、ノリ重視の安っぽい音楽だけが大好きという。。♡
親は音楽で食って行けるんじゃないかと期待したコトも有ったようですが、そうは問屋がおろし醤油(笑)どんどんDrop outしていっちゃいましてw
あ。全く本題とは関係なくなってしまいましたね。失礼致しました。
10年以上前と何ひとつ変わってないと思いますよ。むしろ建った時から何も変わってないんじゃないでしょうか。そうそう、cheapなんですよね。今時の公共ホールのほうが洗練されていたりします。でもNHKホールという存在自体が今や微妙と言うか。色々問題を含んでいそうですよねぇ。
いやいや、きっと何処かでその音楽経験は役に立っているか反映されているはずと思います。だって音楽そのものはお好きでしょう?それが何であろうといいんです。私は延々と繰り返される練習が嫌でいつも辞める口実を探していましたが、結局今でもNo music, No lifeな人間です。LongSiさんの音楽の「あったはずの才能」は、きっと別のことに姿を変えて生かされたんでしょうね。それはそれで素敵じゃないですか。何に生かされたのかは存じ上げませんが笑。