クルマで巡らない国立西洋美術館

クルマで巡らない美術館第14回は、国立西洋美術館(東京都台東区)です。

 

 

東海道線が東京から向こうへも開通したおかげで(その時点で東海道線とは呼ばないのか)、地元から上野までストレートに行けるようになり嬉しい限り。美術館群だけでなく、日本画材屋さんも上野にあるので足繁く通っています。何てったって芸大が控えてますからね。パンダだけが上野の魅力ではないのです。

上野駅公園口を出て信号を渡り、東京文化会館の前を過ぎればすぐ右手に見えてきます。世界遺産です。
建築家ル・コルビュジェの建築作品のひとつとして、登録されたとか。私は建築は専門外なのでよく知りません。コルビュジェと言えば椅子のイメージ。パリのポンピドゥーセンターの休憩椅子は、彼の椅子だったような。

 

この椅子に座って自撮りしたことは内緒♪

 

確かに美術館の外見は非常に洗練された佇まいです。私は個人的にこの美術館は外から眺めるほうが満足度が高く、中は複雑な構成で、かなり使い勝手が悪いと思ってます。でも、西洋のメジャーな企画展などはここで開催されることが多いので、これまで何度も訪れてきた慣れた場所とも言えます。

最近感じるのですが、地方美術館のほうが展示空間に思い切りの良さを感じます。ただ単にスペースが広く取れるからだろうか・・・

さて今回は「北斎とジャポニズム」展を駆け足で観てきました。前述のようにこの日の使命は画材屋さんで紙と刷毛を購入することでしたので時間がおしていたことと、結構な混雑具合であんまり心ゆくまで観られなかったのですが・・・

 

アクセスは抜群に良い美術館です

 

この企画展は、「北斎から影響を受けたであろうと思われる西洋の作品を、北斎の作品とともに展示する」というテーマがあり、似た構図とかモチーフだとか、中には結構強引なこじつけじゃん?と思えるような物まで、色々ありました。

 

テーマカラーはなぜかピンクでした

 

私は北斎の作品に主眼を置いていたので、西洋画のほうはチラ見する程度ではあったのですが、やっぱり皆さん富士山の影響は受けてるんだなぁと。中には富士山をそのまんま描き込んでいる作品までありました。確かに富士山は造形美に溢れたモチーフです。あんな美しいシルエットの山はそうないでしょう。富士山の近くにルーテシアのお友達がいますが、彼らが撮影する富士山の姿は本当にいつも美しく詩的です。私が江戸時代の絵師だったら、やはり描いただろうと思います。富士山の影響で日本人はハの字型に安心感を感じるというのは本当なんでしょうか。でも、それは富士山が見える地域の人だけのような気もします。江戸人の小さな誇りは、「京からは富士山見えないだろ、ざまみろ」だったようですから笑。

それから波ですね。北斎の波と言えばアレですが、あの造形から多くの西洋アーティストはインスピレーションを受けたようです。でも、太平洋と日本海が違う雰囲気を持つように、外国の海もまた違うじゃないですか。「神奈川沖浪裏」は構図も色も形も表現もすべてが完璧だと思っているので、外国の寒々とした荒波ではなんか気分が出ないですね。あの絵はまあ地元補正もあってか、かなり贔屓目に見てしまいます。

作家はドガ、モネ、ロートレック、ロダン、ガレ、セザンヌ、ゴーギャンなど錚々たる顔ぶれが並んでいましたが、興味の対象が完全に西洋物から日本物にうつっている私はあまり惹かれる作品はありませんでした。空いていて時間があれば修行と思ってじっくり鑑賞したと思いますが。

しかしそんな中!区切られた展示空間が出現します。
浮世絵などの展示で区切られた空間とは、すなわちそれは「R18」を意味します。私の大好きな春画コーナー登場。でも北斎の春画の代表作と言えばタコじゃないですか。あれではなくて、比較的ノーマルな男女の絡みでしたね。さすがにタコとの絡みを真似した作家はいなかったのであろうか。ただ、その横にあったクリムトのスケッチが逸品でした。シンプルな線だけのシンプルなスケッチなんですが、男女の重なり具合の濃密な空気が紙から匂ってくるようで素晴らしかったです。さすがクリムト。今回一番感動しました。でも、北斎のをお手本にして描いたとは思わないけど・・・まぁいいでしょう。

でも何と言うか、ド派手な西洋画を観た後に浮世絵や挿絵を見るとホッとするのは、私も何だかんだ言ってDNAが日本人だってことでしょうか。

今週末から始まるスクーリングでは、絵巻の模写を学びます。私にも昔の絵が再現出来るのかどうか不安でもあり楽しみでもあります。そして、ドタバタしているうちに行きたかった展覧会がどんどんクローズしていく・・・もう泣きそうです。

そして上野に来るとついつい入り込んでしまうHard Rock CafeでテキサスBBQバーガーみたいなのを食べて帰路につきました。

 

国立西洋美術館

 

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