クルマで巡る富士スピードウェイ

クルマで巡る美術館第12回は、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)です。って美術館じゃないでしょ?と言いたいそこのあなた。
美しいものに出会える場所は私にとってはすべて「美術館」なんです。

 

 

はっきり言って、この富士スピードウェイについて私がどうこう語れることはほとんど無い(!)のですが、お出かけ先としての富士スピードウェイを素人の女目線から書いてみたいと思います。だってここの歴史や実際のコースがどうだとかは、これを読んでいらっしゃる皆さんのほうがずっと詳しいですからね。

 

通常、私が富士スピードウェイ(以下FSW)へお出かけする時に選ぶルートは国道134号→西湘バイパス国府津インター→県道72号線→国道246号線です。時間ない時は新湘南バイパス→圏央道→東名大井松田→国道246号線。1時間半もあれば到着出来ます。

中でも246号線は視覚的にいつも楽しませてくれます。東名高速の造形が楽しいのです。都市部の空中浮遊感は首都高でも見られますが、山の中腹を人工物が切り裂いていて、クルマが流れているという風景はとってもシュール。町自体はのどかな風景が広がっているので、そのギャップが不可思議な世界観を創り出しており。ちなみに最後のコンビニはローソン。

私の感覚だと、サーキットというものは唐突に現れるものなのですが、FSWもそうです。アップダウンが多いのどかな道を走っているうちに、唐突に立派なゲートが現れます。西と東があるようですが、イベントによってどちらから入るかは違うようです。ゲート入り口のボックスで入場料を支払い(通常は¥1,000でしたかな?ゴールド免許やJAF会員だと割引されるようです。毎回、感じのいいおばちゃんが対応してくれます)、クルマを進めると、私はいつも「どっち側通行だっけ」と一瞬悩むんですよね。入場した、という安心感=公道ではない、という認識をしてしまうせいでしょう。当然、普通に左側通行です。対向車も来ます。

それと、どこへ向かえばいいのかも迷います。案内は慣れてない者には非常にわかりにくいですね。なので、出掛ける前に必ず「入場後、自分はどこへ向かうのか?」をマップ等で把握していないとウロウロすることに。これまで4回訪れたうちの3回は一番奥のAパドック(ピット手前)でしたが、先日訪れた時は初めてのCパドックというやつで、事前にお友達に西ゲートからの行き方を確認する始末。それでもうっかり東ゲートの列にいったん並んでしまった私はおバカ。途中で気づいて西ゲートへ向かいましたけど。

ただ、道は広いですし慌てる必要はないので、はやる気持ちを落ち着かせることが重要。コース内の広告等が目に入って来たり、クルマが駆け抜けていく音とか聞こえてくるとテンション急上昇するものなのですが、まだ運転中ですからぐっと我慢。ようやくクルマを停めて下車して、下界より少しひんやりした空気を吸い込むと「富士スピードウェイに来たー!!」という実感が。

 

雲がぐっと近くに

 

まず、私は声を大にして言いたい。
トイレが素晴らしい!これは女にとっては結構大事なことです。清潔で広い。洗面台とは別にメイクお直しスペースもあります。これは実際にサーキットへ行けば思い知らされるのですが、完全にアウトドア・アクティビティなんですよね。夏は暑いし冬は寒い。紫外線や乾燥など厳しい環境ですし、山なので天気も変わりやすい。着替えたりメイクを直したりするのに、通常男性人口のほうが多いスポットですから、やはりトイレで色々出来るのはありがたいのです。これだけでも不安なく行けます。

お食事は「オリヅル」という素敵なネーミングのレストハウスがありますが、ここのメニューはいつも不思議。カレーのようなシンプルなものから、微妙に凝ったグリルものなどもあり・・・食券式です。ただ、このレストハウスからの眺めはなかなか。コーナーを駆け抜けていくクルマを見たい私としては、まったり飲み物を飲みながら見られるという点で好きです。日差しや寒さに疲れたら避難出来る場所としても使えます。

屋外でも大丈夫な人たちは、芝生の斜面に陣取ってたりしますね。大きなレンズを持った方々もしかり。

 

この自由な感じがいいですね、一種の野外フェスみたい

 

アスファルトが美しいと思うのってサーキットだけ

 

当たり前ですが敷地内は広いので、想像以上に歩きます。どこに行くにも。ただ、目の前に見える富士山と横に広がる低い空のせいで、歩いていても気持ちいいんですよね。聞こえてくるクルマの音も、まるでヨーロッパの街を歩いている時に聞こえてくる教会の鐘の音みたいに、心地良さをもたらしてくれます。

鈴鹿サーキットも一度だけ訪れたことがありますが、そういった「気持ち良さ」みたいなものは感じるまでには至らず。やはりロケーションが良いのでしょうね、FSWは。観覧車とか見えると私は興ざめするので。クルマがあってクルマが走っていればじゅうぶん、という女性には居心地のいい場所だと思います。イベントだと色とりどりの鮮やかなクルマたちが並んでいますので、味気ない無機質な空間に彩りを添えてくれ、どこを写真に撮ってもサマになりますし。とは言っても、多分彼氏や夫がクルマ好きじゃないと行く機会はそうそうないと思うのですが。

 

ピットに入れるとまた違った刺激があります

 

私もこれまではサーキットという場所にまったく無縁な人生を過ごして来ましたが、愛車ルーテシアがやって来てからは、「新たな扉が開かれた」と一番実感する場所です。走り?今のところパレードランレベルでじゅうぶん満足しています♪ 異空間にいるってことだけで楽しいですから。

「クルマで巡る富士スピードウェイ」に4件のコメントがあります
  1. オジサンにとって、富士スピードウェイと言えば昔のFISCOという呼び方がしっくり来るし、運営会社が倒産しかけてトヨタが買い取ったのもまた、ついこの間のような話であります。

    本コースの変遷も激しく、ごく初期だけ使われた30度バンク、F1再誘致に伴うダンロップから最終コーナーまでの改修、などなど。

    日本のレース界の歴史を刻んで来たサーキットの一つですね。

    1. おぉ、Fugupedia先生降臨!
      さすが、簡潔にわかりやすくFSWを解説して頂き、ありがとうございます。私のダラダラ本文より内容が濃いですな笑。
      30度バンクって映像観ましたけど・・・クルマが駒みたい。すり鉢状の道路なんて走ったことがないので(多少は傾いている路面はあちこちにありますが)、想像もつきません。改修前のコースも見てみたかったです。

  2. ピット前に並ぶルーテシアとメガーヌがとてもカッコイイですね!角度は距離を変えて写真とったり眺めたりしてみたい。

    先日行ったツインリンクもてぎもコースの方のトイレがとても良いです。しかも何箇所もあって。

    1. もてぎは次回は是非サーキットを見てみたいです。トイレのきれいさ、便利さは重要です。でも海外だとどんなトイレでもわりと平気なんですけどね笑。ルーテシア(とメガーヌ)って、本当に絵になりますよね、自画自賛ですけど。

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