クルマで巡らない「扇の国、日本」展

クリスマスイブのギロッポン。

そんなとこ絶対近づきたくないでしょ、と思いながらも近づいてしまった私が向かったのは、ミッドタウンの中にあるサントリー美術館。ビル風が容赦ない。冬の都内で何より辛いのはこの風。

ところで街の店の変わり身の早さと言ったらどうだろう。
いつも私がお出かけ前の一服で利用する駅のカフェの前の某食材店。デコレーションと店頭の商品はめまぐるしく変わる。正月バレンタインひな祭りホワイトデーイースターこどもの日(しばし休憩)十五夜ハロウィン七五三クリスマス年末。なんじゃそりゃ、っていつも眺めている。それぞれに合わせたBGMも忘れてはいけない。

ミッドタウンはいつ来てもガラーンとしている(贅沢な空間なのでそう感じる)。多分、そこそこ人はいるのだろうが、空間のせいで人口密度がやたら低く感じるので寒々しい。一流ホテルのアメニティに出しているような化粧品の店がいくつかあるが、私が興味を惹かれる店はない。上階にあるリッツ・カールトンには昨年来た。何しに来たんだっけ(笑)。この六本木の広大な敷地は毛利藩のお屋敷跡。毛利家が預かっていた赤穂浪士数名はここで切腹した。

今、再び自分の中で金箔がキテいて、来月も京都へ狩野派の障壁画などを見に行く予定となっている。自画像の背景も金箔にしようかと考えているほどだ。学校で実技をやった時は、金箔実習なのに私だけ銀箔だった。理由は簡単。その時は銀箔がキテいたのだ。あの時は酒井抱一の「夏秋草図屏風」にえらく影響を受けていたのだった。

今回は見るからに「金」成分が多そうな展覧会だったので、わざわざ人の多い時に無理して出かけてきた。美術館内は空いていて、比較的自分のペースで回ることが出来た。ただ、鑑賞の順路が曖昧なのがいいのか悪いのかは判断がつきかねる。

 

扇。
日本人ならお馴染みのアイテム。そして、扇は日本の歴史とともに歩み、現在も滅んですらいない。2000年の間、我々日本人の傍に存在し続けた稀有なグッズと言える。平安時代の人たちも扇を使っていた。現代を生きる私たちも扇を使っている。日常生活から宗教行事、伝統芸能まで、いつの時代もその役割は大変重要。
また、扇は美しいだけでなく、「コンパクトに畳める」という点で、極めて日本人的なグッズだと私は思う。以前、フランス在住のフランス人に日本の折りたたみ傘をプレゼントしたら、えらく喜ばれたことを思い出した。

扇の歴史とともに、そこに描かれた絵図を楽しめる展示。古墳から出土した木製の扇から、その後は紙を利用するようになり、絵図の部分だけを屏風に貼ったものや、カタログのように編纂してあるものまで、扇の造形芸術がたっぷり楽しめる内容。にも関わらず、私は屏風の背景に使われている金箔の貼り具合や修復の跡などに妙に注目してしまった。だって金箔が私の創作意欲を高めているのだもの。

こうして年代の古いものから新しいものへと見ていくと、江戸時代になると一気に洗練されるのがやっぱりすごいと思う。江戸時代万歳!!平安時代の扇も奥ゆかしくていいけど、国芳や其一がサラっと描いた扇の絵のかっこよさったらない。

扇自体がコンパクトなので、どうも小物感ばかりが先行してしまう展覧会だったけれど、自分の中に金箔ブームの波が来ていることをはっきりと確認出来たのは収穫だった。

1時間くらいで終了。

高所恐怖症ですがなにか?

正直、あまりにも金箔ばかりに目がいき、肝心な扇のことは・・・
それでなくとも、やはりちょっと年末の疲れが出たのかいつもの感覚がなかなか戻って来ないため、ぼやーっとしたまま見終わってしまった。つまり、それほどでもなかった、ということだろう。

来年は河鍋暁斎展が開催されるもよう。これは必見!!

 

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