BLOG ヌード講義騒動についてあれこれ

※この記事はちょっとだけR18です。

あら、このブログのタイトルも変態が入ってますけども・・・?

数日前にニュースになった、京都造形芸術大学東京キャンパスの社会人講座「藝術学舎」での講義が原因のセクハラ訴訟。何を隠そう私もここの学生なので、かなりモヤモヤしています。

そもそもこのニュースを知らせて来たのは同期の友人で、「久々に腹が立った!!」とのメッセージと共にリンクを送りつけてきました(笑)。

私は通信学部生ですが、大学は「藝術学舎」という一般の人々に向けた公開講座をいくつも開催しており、私も今春はいくつかの講座に申し込んでいます。参加したい講座があったら概要を読んで申し込むのですが、講師陣の名前、顔写真、プロフィール、講座内容はすべて明記してあります。そして、中身は濃いです。もし興味のある講座があったらとりあえず行ってみて、くらいには友人に薦めることが出来るレベル。だから最初は大学側の受講生呼び込み大作戦の炎上商法かと思った(笑)。

学部のスクーリングではヌードクロッキー、写生、制作もやります(未だ完成せず)。その時はそれぞれ2人の女性モデルさんでしたが、私は学校のアンケートに「なぜモデルは2人とも女性なのか。一人は男性でもいいのではないか」と書いて提出しました。それは私の「女性より男性を描きたい」嗜好はもちろんですが(笑)、男女の体はずいぶんと違うので、男性の体を描くことも勉強になると思ったからです。ちなみに先生は全員、男性でした。そのことによる性差はまったく感じませんでしたけどね。色々学べましたし。ヌード作品は今でも当然大いに関心がありますし、常に描きたいモチーフです。

そんな私が現在の日本人作家で一番その作風が好きなのが、木村了子さんと言う方で、過去このサイトでも記事にしています。今回、木村さんが珍しくツイッターで発信され、100%私が同意出来るご意見を投稿されたので、すごくスッキリしました。これを紹介したくてこの記事を書いたと言ってもよいでしょう。

以下はもう蛇足ですが・・・
私が昔から大好きな西洋画の2大ヒロインはサロメとユーディットで、この2人に共通しているのは男の首。サロメはヨハネの首の乗ったお盆を持ってるシーンが有名ですし、ユーディットは寝ている敵将ホルフェルネスの首を切り落とすシーンが有名。
日本に目を向けてみると、普賢菩薩像などは下の象がよつんばいになった男にしか見えないし、道成寺で清姫が大蛇になって鐘ごと安珍を焼き殺したり、阿部定が吉三を愛し過ぎてセックスの最中に殺した挙句に性器を切り取って大事に持ち歩いたり、綾鼓で哀れな老人の心を弄ぶ女御とか、雪女に息を吹きかけられて殺された茂作じいさんは気持ち良かったに違いないとかetc そこに私の美的感性が響いてしまうという・・・(あ、源氏物語の六条御息所みたいなのはダメ。好きな男の相手の女をとり殺しちゃダメよ)だから、セクハラって言葉を見るたびになんか居心地悪い。女性専用車両に感じる嫌悪感もそこから来ているのかもしれない。いつまで女は過剰なほど堂々と被害者面をしているつもりなのだろう。あるいは、男を敵とみなして徹底抗戦しているのだろう。わかってますよ世の中の女性が皆、私と同じではないってことくらい。

原告の女性に関しては、知らない人だし私の理解の範疇を超えているためあれこれ言いたくはないのですが、学校側も示談なんかに持ち込まずに授業料を返金して突っぱねたら良かったのでは?とも思います。好き嫌いは別として、どの学生だって現役の作家さんの話を聞けるのはものすごく良い機会だし、そんな機会が今回のことでもし減らされたりしたらとても残念。

会田誠さんの作品自体は私も興味ないんですけど、木村了子さんの絵を見に行った展覧会でこんな絵がありましてね。今回の件で思い出しました。

牧田恵実さんという作家さんの、「犬 ー会田誠さんへのオマージュ」という作品です。

原告の女性はこの絵を見てもショックを受けるのかなぁ?ショックを受けてもいいけど、美術に少しでも関わりがあるのならこの作品の前でよく考えてみて欲しい。
きっとクリムトもモローもムンクもクールベも春画もダメなのかなぁ。ジェンティレスキ(ルネッサンスの女性画家)の描いたユーディットもダメなんだろうなぁ。アラーキーの写真も、彼の弟子だった野村佐紀子さんの若い男性ヌードの写真もダメなんだろうなぁ。私はエゴン・シーレの絵が病的でダメですね、生理的に嫌いです。ま、それは個人の趣味だから他人がとやかく言うことじゃないですし、私たちには「見ない権利」だってあるんです。とりあえずこの女性とは絶対にお友達にはなれませんね。

自分ならどうするか、と考えてみましたが、今回のケースではヌード×会田って時点で内容は察することが出来るので、そもそもこの女性のように何も知らずってことはあり得ないわけで、よってショックを受けたり不眠になったりはしないってことは言えます。だからと言って感銘を受けたり感動もしないと思うけど。

そして、女が男を愛でる、憎む、欲する、とり殺す、誘惑する、玩具にする・・・そんな作品も数多く見てきている(しかもそういうのが好き)ので、変態不潔キモ講義も抵抗なかったと思います。そういう講義を大学の公開講座でやることの是非はさておき。

よく芸術かポルノかなんていう議論が、もう大昔から古今東西で繰り返されているわけですが、私は自分が好きなら別にどっちだっていいよ派です。例えば春画だって今では美術館なんかに飾られちゃってるけど、江戸時代はエロ雑誌みたいなもんだったんだから(現代のよりえげつないしね)。時代の価値観は変化するけど、自分の価値観は絶対だから、どっちでもいいんです素敵ならば。