7年ぶりの再会

目覚めた時に感じる肩凝りと軽い頭痛に耐えられず、枕を新調した。

このところ、背中にクッションあてて映画や本を見たまま寝る、ということが続いてた上、2年くらい前に買った枕がヘタって沈み込みがなくなり、バスタオルを畳んだもののほうがマシだと思うくらいになっていた。

低めの枕なので本などは読み辛いが、入眠への切替が出来るし、朝もそれほど辛くなくなってきた。起き上がった瞬間に感じる頭痛は明らかに消え去ったので、枕は重要なアイテムなのだ。

それからしばらくしたある朝、何の前触れもなしにそれはやって来た。

クローゼットの前でスカートを履こうと左足を上げた瞬間、ピキーン!と音が聞こえたように感じた。どこから?腰のあたりからだ。思わず呻き声が漏れた。

やっちまったか・・・?

私はスカートを履くことを諦め、恐る恐る姿勢を戻し、上半身を直立不動のままベッドに座った。ああ、7年ぶりにあんたはやって来たのか、ギックリ腰よ。この再会はちっとも嬉しくないぞ。

ギックリ腰というキャッチーな名前からは想像出来ない壮絶な痛みなのであるが、これは経験者じゃないと絶対に理解してもらえないだろう。トイレまで這って行くとか、呼吸するだけで痛いとか、ベッドから起き上がるまでに15分はかかるとか、信じてもらえないだろうがすべて真実だ。7年前に発症した時、どうしても仕事が休めず、会社の床に横になったまま仕事したくらいだ。ちなみにクルマに乗り込むのにも時間がかかり、腕を伸ばしてドアを閉めるのも辛い作業になる。乗ってしまえば運転は出来るがバックが出来なくなる。体を捻ることが出来ないからだ。そして、降りるのにも時間がかかる。

とりあえず冷やすことにする。湿布は常備していないので、保冷剤を数個ジップロックに入れて腰にあて、季節外れのウォーマー(つまり腹巻)で押さえる。そして、ベッドに座り、まず上半身を横に倒していき、腕で支え、ゆっくり横になる。足は最後だ。とにかく落ち着け、と自分に言い聞かせる。幸い週末だ。

前回は、発症した当日はわりと動けたが、翌日の朝から完全に固まったことを思い出す。ということは、何とか動ける今のうちにやるべきことをやっておかねばならない。つまり、湿布を買いに行くことだ。上半身を垂直に保てば何とかそろそろと歩ける。しかし、夕方になると立ち上がる時などにピキーンと左腰につったような鋭い痛みが走るようになった。ヤバイ。

普段から腰が張ったりすることはよくあるし、ジムに週3回くらい通っていた時はギックリ腰の再来阻止と股関節強化のためにトレーニングしていたので、まさか今になって襲われるとは想像もしていなかった。原因はそれはもう色々考えられる。世間一般に言われる原因のすべてがあてはまるのではないかというくらいに。

でも、私には秘蔵の書があるのだ。7年前にも私を助けてくれた本である。これを久々に引っ張り出してきた。

一言で言うと、ギックリ腰というか腰痛は抑制された怒りのサインである、という内容。スポーツ等で鍛えているからならないわけでもないし、重い荷物を持つ人が全員腰痛になるかと言えばそうでもない。若い人でも発症するので老化とも言えない。明らかな疾患がある場合を除いては、多くの腰痛は原因不明だ、というところからスタートしている。確かに整形外科に行っても何をしてくれるわけでもない。レントゲンを撮って痛み止めや湿布を処方され、場合によってはリハビリを勧められて終了だ。

思えば股関節の痛みに耐えられなくなり整形外科に通った時も、しばらく運動療法などをやっていたが、ある時「これって自分でジム行ってトレーニングしたほうがいいのでは?」と気づいたのが、ジム通いの発端だった。そして、効果はあった。もちろん、患部を鍛えた結果の他に、精神的に前向きになれたことが大きいのだろう。授業で奈良の山寺を訪問した時、斜面に連なる階段をサクサク上がれた時は感動した。

今はこんな状況なのでジムにもまともに通えず、会社は週一回出社するだけで、自宅では課題、制作、ピアノなど座って固まる作業ばかりしている。運動不足と片付けるのは簡単だが、恐らくこのような日々への不満をトリガーに、無意識に思い出しているかもしれない過去の嫌な経験、怒り、喪失感などが久々に顔を出したのだろう。

「これは私の怒りだ、でも私はこの怒りには支配されない」と認識するだけで痛みが楽になる。「どうしよう、何が原因だろう、早く治らないとヤバイ!!」と不安と焦りに苛まれていると負のスパイラルに陥る。7年前もこの本を読んでだいぶ楽になった。

幸い、翌朝もどうにか歩ける状態で、最悪は免れることが出来た。それでも腰を曲げたり反ったりはまだ出来ないため、色々と日常生活に支障は出ている。しかし不自由かと言えばそうでもない。時間さえかければ出来ないことはないからだ。上半身を垂直に保っていれば座れるので、懲りずに課題やらピアノやらは続けている。そういう活動を続けることで、痛みに乗っ取られないようにするためでもある。

なので、7年ぶりに嬉しくない再会をしてしまったが、それほど悲観はしていない。

 

常に腰が痛む、という慢性腰痛持ちではないが、これだけははっきり言える。

私のルーテシアの運転席は腰が痛い時も楽!!腰痛のために作られているんじゃないかと思うほどいい。部屋にもひとつ欲しい。

 

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7年ぶりの再会” への2件のフィードバック

  1. DRIVER "A" のコメント:

    こんばんは、お変わりありませんか?
    ヘルニア辛いですね・・・でも、それで腰に対してケアの意識がいくようになられたのでは
    ないでしょうか?
    ギックリ腰はある日突然襲ってくるように思えますが、少しずつ溜まって爆発という
    ほうが正しいような気がしますね。
    お互い気をつけましょう・・・

    400キロ7時間、さすが若さ!?
    シートのへたり具合がまたフィットして良いんじゃないかと私は感じてます。たまに
    助手席に座ると明らかに違うので、運転席と実はシートが違うんじゃないかと
    疑っております笑。フランスは他国と地続きだからルーテシアで海外旅行出来て
    羨ましいですね。

  2. ひろ@ のコメント:

    お久しぶりです!

    私は中学生のときに椎間板ヘルニアで腰を痛め酷い目に合いましたが、今のところギックリ腰は大丈夫です。それでも腰に痛みを感じやすいので注意しています。ギックリ腰は日常の動作の腰への負担の積み重ねであると聞いたことがあります。例えば朝顔を洗うときの体勢であったりデスクワークで長時間同じ姿勢を続け腰に負担がかかったり。それぞれ地道にできる対処をしていく他ないのでしょうね。私もいずれは・・・

    そう、ルーテシアの優秀さを本日改めて感じたのは400km7時間超の移動だったにもかかわらず、休憩らしい休憩をしなくて済んだことです。シートもだいぶヘタっているはずですが、それでもまだまだ大丈夫みたいで。

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