ルーテシアでUPするものとは

連休間近でせわしない4月のある日、こんな記事をご紹介頂きました。
そこには我が愛車、ルーテシアの記事が!!
どんな素晴らしいことが書いてあるのか期待を胸にさっそく読んでみました。

 

[blogcard url=”https://clicccar.com/2017/04/25/466838/”]

愛車ルーテシアが女子力UPとな?

 

女子力とはなんぞや

そもそも女子力って何なのでしょうか?
普段、そういったキラキラした世界からは程遠いところに生息している私にとって女子力とは、
女子または女性が「より可愛らしい」女となれるよう頑張ることにより(ファッション、メイク、料理、美文字などなど女らしさを強調するようなアクティビティ)、すべての最終目的は男にモテること、ひいてはいいダンナを手に入れることに繋がるという現象
という認識です。

それ自体は決して悪いことではなく、むしろ女に生まれた特権を生かさずにいるのはもったいないと私も思います。大いに女子力は磨き上げましょう!女が可愛く美しくなって損する人は誰もいません!さあ!!と言いたいところですが、個人的には女子という言葉は10代までだと思っているので、私は遠慮します。

この記事でルーテシアが「女子力UP」となる理由は、

さて、ルーテシアの女子力アップ度ですが、あらゆる部分で無難な国産コンパクトやブランドバリューのあるドイツ車ではなくフランス車、それもルーテシアを選ぶ時点でかなり「お目が高い!」と思ってもらえそうです。
ファッションと同じように周りの意見やトレンドに流されず、クルマ選びにもポリシーを貫く女子って素敵じゃないですか?

だそうです。

ルーテシアを愛車とする私が言いたいことは、まず「お目が高い!」と言われることは皆無で、「変わり者」として共感して下さる方々のみが褒めてくれる狭い世界であることをつけ加えて頂きたい。世間一般の反応は「これ、どこのクルマ?」が圧倒的多数な事実です。この時点で女子力とかそういうピンク色な概念とはかけ離れているのです。ってこの記事、女が対象なのか男が対象なのかよくわからない内容ですね。一読すれば男性ライターが書いた文章であることがわかりますけれど。

周囲に流されず、自分のポリシーを貫く女子って素敵とありますが、自分で決めて当たり前の世界にいる私にはいまいちピンときません。特にクルマなんて大きな買い物であると同時に自己表現のアイテムでもあるのですから、そのへんの情報や、営業さんに薦められるままに「それにしよう」って決める女がいるとは思えないのですが、多分いるんでしょうね。

 

・・・女子力?

 

ここで言う「女子力UP」とは、周囲とは違う選択をすること=お目が高いと褒めてもらえる=女子力UPという図式のようです。本当に?
例えばメイクだって、巷で流行りのモテアイテムを買っただけでは女子力UPしませんよね。服もそうです。それを自分のモノとして自在に操り生かすことが出来なければ前に進めません。クルマも同じ。ルーテシアが本当に女子力UPに貢献するかしないかは、本人次第です。「私はルーテシアに乗ってからワールドカップ出場国数くらいの男に告白されました」っていう女がいれば、ルーテシアの女子力UPは本物かも?いいえ、もし本当にそんなことがあるなら、それはクルマではなく、その人自身が魅力的だからです。

女性誌もとにかくパリ特集やパリっぽいことを掲載すれば売れるらしいですから(私も読んじゃう)、我々日本人女の中にはもうフランス=なんかお洒落っぽい、という刷り込みがなされているんでしょうね。私も元オリーブ少女なので人のことは言えません。しかし、ことクルマに関してはちょっと違います。

 

ルーテシア×女子力の違和感

この掛け合わせは意外性を通り越して「だいぶ違う」という感じ。以前のセアトの記事にもあったように、いいクルマに性差は無いと思うからです。ルーテシアに関してはこれまでクルマメディアのみならず、カルチャー系や消費系メディアに書かれた記事を読んできましたが、必ずカップルを絡ませてくるのが鉄板。でも実際のところモテるためにこのクルマに決めたオーナーは私の知る限りでは皆無です。

方向性が明らかに違うのに、ルーテシアのコンセプトが「LOVE」なせいなのかルノージャポンの戦略なのか、必ず「フランス車でお洒落デート」な展開になるわけです。この記事内でもフランス車=お洒落なデザインという表現がちらほら見えます。

基本的にすべてに対してほぼ見た目から入る私ですら、この手の記事には「ルーテシアの良さはそこじゃないよなぁ」って思ってしまうくらいの押し付けがましさを感じてしまいます。とうとう女子力UPネタにまでされてしまったとは、嬉しいような迷惑なような。

この記事では細かいスペックも紹介されていますが、マイナーチェンジ後の内容とごっちゃになっていて、わかりづらいですね。ブルー・ドゥ・フランスの美しいルーテシア ゼン1.2がモデルではありますが、実際にこのカラーはもう現行ではありません。顔の印象を左右するフロント周りも変わっているので、マイナーチェンジ後のルーテシアはむしろ精悍さUPと言えます。ですから、んー、女子力ねぇ、という違和感が増大するだけの結果になってます。

では、実際は?

ルーテシアでUPするもの。私がひとつだけ挙げるとしたらそれは

「クルマの運転が楽しくなる」ということです。

それがすべてであり、それがすべての始まりであると思います。女子力とかモテとかお洒落デートとかそんな要素とは切り離された、もっともっと人生そのものが楽しくなる。それがルーテシアであり、愛車というものなのではないでしょうか。少なくとも私はそうです。

ルーテシアがフランス車だからお洒落なのではなく、こういう楽しいクルマが気楽な大衆車として売れているフランスという国の自動車文化こそが豊かなのではないか。そんな風に感じます。

ともあれ、このような記事でもルーテシアというクルマに興味を持ってくれる人々が少しでも増えるのであれば、それはそれで嬉しいことに違いありませんけどね。

結論:ルーテシアで女子力UPはない! むしろ変態度がUPするのみ。