バンパーな街、パリ。

パリの日常、それは縦列駐車

パリを訪れたことのある方なら、見事な縦列駐車がズラリと並んでいるのを目にしたことがあるかと思います。アメリカの住宅地でもわりと路肩にクルマがずらりと停まっていますが、道路の広さが違うだけにあんまり窮屈感や悲壮感を感じないんですよね。日本の教習所で教わる縦列駐車テクがまったく何の役にも立たなそうなくらい、パリの路上駐車には感心してしまいます。日本で同じことやったらすぐに通報されそう。

そんなパリの路上事情から始まる映画があります。
「パリ、ジュテーム」。1本が5分以内の短編オムニバス集で、18人の監督が18通りのパリを撮影。どの物語も一癖あり、笑いあり、怒りあり、涙あり、ホラーあり、切ないのありと色々な感情がパリの街の風景とともに楽しめます。フランス車乗りのあなたに特にオススメしたい。どのエピソードが一番好きか話すのもまた、楽しい1本です。

バンパーフル活用?

第一話「モンマルトル」。
クルマに乗って悪態をつく男が主人公。モンマルトル周辺は坂で狭い上、どこもかしこもクルマでいっぱい。ドライバーな皆さんは少なくともこの男に同情してしまうだろうと思います。やっとの思いで空いたスペースに自分のクルマを突っ込むのですが、お決まりのバンパーぶつけ合いで上手に収まってます。これぞバンパーの正しい使い方!
この男、パッとしないんですけど、この後ものすごい幸運が舞い込んできて・・・

さて、彼の運転するクルマはどうやらルノー。

Fugupediaによればサフランでは?とのこと。ルノーの高級車ラインみたいですね。とても高級車には見えないところが深い味わいを醸し出しています。「本」のカテゴリで以前書いたルノー25というクルマがありましたが、作者は「ありきたりな男が乗るクルマ」だと表現していました。確かにこの主人公も、風采の冴えないありきたりな男に見えるところが皮肉でもあるのですが・・・

でも、彼の物語は思わず「何て幸運な奴なんだ!!」と叫びそうになるくらいの結末を迎え、ほのぼのとした気持ちになれます。

バンパーシーン。あ、前のクルマには日本企業の名前が。

よいしょ

こらしょ

私には絶対無理!とも思いますが、こういう街に住んだら多分平気でやるようになるのでしょう。

パリに興味のある人は必見

オムニバスなのでとにかく楽しいんですが、18編の中でお気に入りの一編を選べないほど、全部が好きです。制作監督はコーエン兄弟、トム・ティクヴァ、アルフォンソ・キュアロン、ジェラール・ドパルデューなどなど。俳優陣もジュリエット・ビノシュ、スティーブ・ブシェミ、ナタリー・ポートマン、リュディヴィーヌ・サニエ、アニー・ファルダン、ギャスパー・ウリエル、ジーナ・ローランズ、ウィリアム・デフォーなど一癖二癖ある人々が出演しています。他に名前が定かではないけど知った顔(指輪物語の彼とか、ミリオンダラーベイビーに出てたおばちゃんとか)も多く、異なる人種、宗教、年齢、置かれた立場の違う人間を通して描くパリの街を、堪能出来ます。

パリが舞台と言うより、パリそのものを描き出した映画。強くオススメです。


こんな気分にこの映画
パリに行った気分になりたい時
人生色々だな、と安心したい時
自分のつまらない日常も素晴らしい時間なんだと思いたい時

 

パリ ジュテーム

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