地元愛?ありません!

映画に絡めて非・地元愛を語る

昨日の記事で地元発のお気に入りを書きましたけれど、今日はもうひとつの地元のお話です。

Amazonプライムに「海街Diary」がありました。
是枝裕和監督の作品はこれまで「幻の光」「誰も知らない」の2作品を鑑賞済み。どちらの作品もズドーンと重く重く涙も枯れ果てたような作品でしたが、どちらもDVDを購入したほど大好きです。特に「幻の光」はサントラまで購入したほどですし、宮本輝の原作はもう辛すぎて吐きそうになりました。今もサントラを聞くと条件反射で落ち込みます。これはまた別の機会に語るとして・・・

そんな是枝監督作品ですが、本作品は鑑賞を先延ばしにしていたんです。

 

鎌倉、それは内気循環の街

私は鎌倉生まれの鎌倉育ちで、現在はお隣の藤沢に住んでいます。途中、都内に住んでいたりした時期もありますが、トータルで見ると鎌倉での時間が一番長い。それも海側に住んでいたため、鎌倉を舞台にした映画などはけっこう冷めた目で観てしまいます。

住んでいる時から鎌倉をあまり好きじゃなく、というか嫌いで、お隣の藤沢のほうが好きでした。鎌倉に住んでいると言うとほぼ全員が「いい所にお住まいですね」とおっしゃるのですが、「そうでもないですよ、暗いですし」といつも答えて相手を困らせている私です。この記事を書くにあたって鎌倉の写真を探しましたが、見事に1枚もありませんでした。

鎌倉という街全体に漂う重暗さと閉塞感が嫌いです。美しく描かれることも多いですし、実際に美しい場所もあります。古刹も多いですし、歴史ある街なことは事実なのですが、私からすれば「引きこもりの街」とでも形容したいくらいに窮屈なところでした。今は藤沢にいるので、余計に鎌倉の重苦しさがわかります。

そのような理由と、役者陣にあまり魅力を感じなかったがゆえに公開時にも興味を惹かれなかったのですが、このたび観てみることにしました。監督が是枝さんということだけに少しの希望を持って。

描かれる鎌倉は相変わらず私にとっては懐かしいを通り越して重苦しいだけでしたが(藤沢の老舗関水スポーツさんが出ていたのはちょっと嬉しかった)、物語自体はわりとしっかりしていました。漫画が原作?

3姉妹と母親の違うもうひとりの妹のお話です。
極楽寺の古い一軒家に4人で暮らしています。まだ古民家カフェにはなってないようですね笑。
3姉妹が幼い頃に家を出て行き別の女と所帯を持った父。ゆるーい母。しっかり者の長女、気ままな次女、自分の世界を持つ三女、そして父の忘れ形見である少女。4兄弟と言えば同監督の「誰も知らない」を想起させますが、本作品は親がいなくとも、すでに3人のお姉さま方は自立した大人です。

森田芳光監督「阿修羅のごとく」を思い出しました。あれも4姉妹でしたね(今回母役だった大竹しのぶが長女、黒木瞳が次女、深津絵里が三女、深田恭子が末っ子というなかなか濃いメンバー)そして父親に愛人と子供がいる、長女が不倫している、という点も似ていました。

本作品は劇中に何度もお葬式や法事のシーンがあったり、長女が看護師だったりするので、全編を通してうっすらと死の影が漂っています。それが鎌倉の風景の重苦しさと良くマッチしていましたね。4姉妹は当たり前ですが皆さん美しいので絵的にはとてもきれいです。優しくて儚げな音楽は菅野よう子さんじゃありませんか。「攻殻機動隊」のイメージが強するので、とっても意外でした。

現実に鎌倉は圧倒的に年配の方が多く住んでいる街です。ただ、静かに暮らすにはもう少し東にいった葉山あたりのほうがいいかと思いますね。不便なので俗世からは隔離される感がありますし。鎌倉はちょっと特殊。地元愛は感じません。長くいた割には全然ないです。

 

I LOVE 藤沢

 

藤沢は明るいんですよ。空気穴があるというか。いつもフレッシュな風が入って循環しているような感じなんです。鎌倉はいわば内気循環の街です。

映画としては「是枝監督の手腕で何とかギリギリ空っぽな観光映画にはならずに済んだかな」という感じ。鎌倉を訪れるプランのある方にはヒント満載かもしれません。たまーに訪れるのなら素敵な街なんじゃないですか。

「地元愛?ありません!」に2件のコメントがあります
  1. こんばんは

    全く地元愛を感じませんね。笑 海街Diary観たことあります。美人姉妹を見られるだけでも目の保養。ストーリーはそんなに考えることもなく見られた記憶があります。綺麗な映像が観られる良い作品、といった薄い記憶しかないですが。笑 関水スポーツって夏帆が演じてる役の彼氏の勤め先のですか?

    1. Hiroさん おはようございます。

      積極的に「地元」とは言いたくない街です笑。
      海街ダイアリーご覧になりましたか。確かに「きれいな」映画でしたよね。是枝監督はどんなに重いストーリーでも「淡々と普通に」見せる手腕がすごいなと思うのですが、この映画はそういうインパクトはありませんでした。

      はい、そうです!あのスポーツ洋品屋さんです。藤沢駅近くにあり、私も小学生時代からお世話になっていました。

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