やっぱり赤いクルマが好きだ!

久々に映画の話題を。

そのタイトル、アイキャッチな赤いクルマ、嫌いではない西島秀俊主演、カンヌなど、観てみたい要素が複数あったにも関わらず映画館まで足を運ばなかったのは、村上春樹に引っかかっていたから。若い頃に何作品か読んでみて、あまり良いとは思わなかったので。。。そんな『ドライブ・マイ・カー』。アマゾンプライムに来ていたのでやっと観た。

3時間ある物語だが、その冗長さは気にならなかった。観終わって最初の感想は、

「やっぱ赤いクルマっていいなぁ!!」

でも赤けりゃいいってわけじゃない。赤が似合うボディと似合わないボディがあると思うのだ。ルーテシアは間違いなく、華やかな赤が似合うボディだった。今のZもある意味赤いが、ボディ形状は黄味寄りの朱が似合うように思う。SUVとかミニバンのスタイルに赤は似合わないと個人的には感じる。この映画に登場するのはSAABだが、この何とも表現し難いスタイル。。。ロングノーズショートデッキに見えなくもない。好きかと問われればそうでもないし、嫌いかと問われてもそうでもないと言うしかなく。でも、この赤はいい。スタイルに寄り添う色味に見える。

そんな風にクルマの物語を見たりした後は、

たまたま流れて来たVWの画像にときめいたりもし、

もし赤が来たら、次はもうEVでいいやと思ったり、

色々な思いが頭の中を巡るのだった・・・

さて映画のほうだけれど。。。
素っ気ない若い女の子が運転手として雇われており、時折タバコを吸い、赤いクルマを運転するってだけで存在価値がある映像。物語とか何が起こって何がどうなるとかってのは、付録にしか過ぎない。ただ、やはり車内というのは独特の空間で、とてもクローズドであり、個人的な空間でありながら、移動している。誰かが車内にいて、何かを考えているってだけで物語になる空間なのだと思った。それから、誰か一人を深く愛していることと、別の相手と関係を持つことは矛盾しない、ということ。これがどういうシチュエーションで出るセリフなのかは、ここでは割愛。

西島秀俊はもともと棒読み俳優だけれど、今回はそれが最大限に生かされていた。淡々と「僕は」「君は」と話すシーンはまさに村上春樹の世界でちょっとイライラするけれど、まあクルマが良かったので良しとしよう。ドライバー役の三浦透子ちゃんは少し前にAmazonオリジナルの『モダンラブ東京』で、マッチングアプリで出会った男を気持ち良く振る役を見て好感を持ったので、無表情でステアリングを握る彼女のショットがとても素敵だった。

原作を読む気にまではならないけれど、劇中に出てくる韓国人夫婦の旦那さんが話す日本語がとても美しかったり、主人公の奥さんがベッドで紡ぐ物語が恐ろしかったり、ところどころで良い点もあった。こういう映画は平気な人とダメな人がいると思う。昔のフランス映画とか平気な人は3時間大丈夫かもしれない。クルマの生み出す音(エンジンの音だけじゃない)が心地良い人も。

もう一度見たいかと言われたらそうでもないけど、とにかく赤いクルマはいい。好きだ。と強く思った作品。

お洒落な欧州車も良いんだけど、最近ますます確信を持っていることとして、やっぱり国産スポーツ(またはその方向性)カーが好きだ。すれ違うと見てしまう。このアカウントをフォローしているのも、そんな理由から。

ドレスアップの良し悪しは置いておくとしても、カッコいい〜!!日本車カッコいい〜!!

そしてふと、この年になって中古だけどフェアレディZに乗れたということに感謝しなければ。そりゃね、相変わらず欧州車も魅力を感じますよ。こないだ見かけた黒い911はやはり美しかったし、AMG A45とか運転してみたいと思うし。でも、ひと昔前の(すでにふた昔前か)国産スポーツカー見ると胸が高鳴るのを止められない。多分ノスタルジーも入ってるんだと思うけれども、みんな背が低くてカッコいいではないか。

リアルタイムでこの時代のど真ん中を運転してきた方々からすれば「いまさら〜」と笑われるかもだけど、それが人生の妙。ね。

Zの次があるかわからないけど、あったら次も赤いクルマにしよう。